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2003年04月12日(土) 00時00分

県南でパチスロのメダル窃盗横行東奥日報

 「体感機」と呼ばれる特殊な機械を身に付け、パチスロの当たりを誘発させ大量のメダルを出す犯行が、県南を中心に相次いでいる。従来の電波発信機を使った手法と異なり、パチスロ台を誤作動させない新手の手口。捜査関係者は組織的な犯行とみており、業界では「検挙されているのは氷山の一角。店によっては一日二十万円前後、月換算では数百万円の被害があるのでは」として、積極的な摘発を望んでいる。

 今年一月三十一日午後四時すぎ、八戸市内のパチンコ店のパチスロコーナー。二十代の男三人の座った台からは次々とメダルが吐き出されて止まらなかった。三人とも絵柄を回す作動レバーに左手をかぶせていたが、その下にはレバーを一定のリズムで押し上げ作動させる機械が隠されていた。従業員が取り囲み事務所に連れて行くと、衣服の下に体感機と呼ばれる機器を体に付けていたのが分かった。三人は八戸署により、窃盗容疑で現行犯逮捕された。

 被害に遭った店の経営者によると、パチスロ台は絵柄を回すレバーを押すタイミングで当たりか否かが決まるという。体感機は当たりのタイミングで手の裏に隠していたボタンが上下に動き、その度にレバーを押し上げて作動させる仕組み。足の裏に隠したスイッチで、ボタンが上下する速さを微調整することができ、機械に精通した人であれば、かなりの確率で当たりを出すことができるという。

 かつて業界では、電波発信器を使って台のコンピューターを誤作動させ大当たりを出す被害が横行していたが、今回は台の機器に影響を与えないのが特徴−としている。

 八戸署は、パチンコより短時間で大稼ぎできるパチスロに目を付けたとみている。犯行は「複数で各店を訪れ、実行役にメダルを出させて指南役が取り分を分けている」(同署)。三人の逮捕後、被害に遭った店には「(体感機を使用するのは)法律に触れないはずだ。誤認逮捕だ」と脅しの電話がかかってきたという。

 昨年十二月ごろから関東を中心として被害が続出したが、一月二十四日に宇都宮地検が「誤作動させないからといって、これで窃盗にならないと、違法行為を野放しにすることになる」と全国で初めて起訴。八戸署では既に七人が逮捕されている。七人は東京、埼玉などから本県に入ってきた。

 青森地検八戸支部は「不況の中、手軽に稼げるアルバイト感覚で犯行に及んでいる」と、犯罪意識の希薄な犯行に警鐘を鳴らす。被害に遭った店主は「逮捕された人は遠方から来ている。新幹線八戸駅の開業など交通網発達が悪い方向に出始めた。これからも、どんどん増えるだろう。犯罪という認識を持ってほしい」と話している。(八戸支社・松田啓志)

http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2003/0412/nto0412_6.html

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