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2003年04月11日(金) 22時32分

<クローン牛>「安全」報告でも、「即安全」とはいえない毎日新聞

 体細胞クローン牛の食品としての安全性に、専門家の“お墨付き”が出た。「肉質がいい」「乳の出がいい」といった特徴をそのままコピーできるこの技術は家畜改良の有効な手段と期待され、現在140頭あまりが飼育されている。農林水産省には流通解禁に向けた追い風となるが、「危険な要素がない」からといって「安全」とはいえない。

 研究班は報告書で、(1)クローン牛の方が一般牛より流産・死産・生後直後の死が多い(2)その時期を乗り切ったクローン牛の生育や生殖能力は一般牛と変わらない(3)クローン牛のたんぱく質などが、新たな毒性や病原を生む可能性を示す材料はない——とした。

 研究班の代表を務めた東京大農学生命科学研究科の熊谷進教授(獣医公衆衛生学)は「健康な牛かどうかを検査して食肉にするなら、体細胞クローン牛を不安視する材料はない」と言う。

 一方、予測できない危険の可能性も認め。体細胞クローン動物の死亡率の高さについても、報告書は「原因は不明」とした。

 02年の海外の研究では、2170の体細胞クローン胚(はい)のうち、誕生できたのは106、健康に育ったのはその8割という結果もある。

 日本では、双子などと同じ原理で生まれる「受精卵クローン」牛の肉は90年代後半から市場に出回っている。「全流通量の1%以下」(農水省畜産技術課)というが、「クローン牛」の表示は任意だ。

 クローン動物に詳しい京都大大学院農学研究科の今井裕教授(生殖生物学)は「一般の牛でも、人工授精や近親交配が進んでおり、何を自然な牛肉と呼べるかは難しい。しかし、クローン牛を食べたくない消費者が買う肉の種類を選べるような表示は、透明性の点から不可欠だ」という。 【元村有希子】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030412-00000110-mai-soci

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