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2003年04月08日(火) 00時00分

盗難通帳でATM払い戻し 銀行に全額返還命じる 最高裁 東京新聞

 盗まれた預金通帳で現金自動預払機(ATM)から預金を引き出された福岡市内の男性が、親和銀行(長崎)に預金の返還を求めた訴訟の上告審で、最高裁第三小法廷は八日、同行に預金の返還を命じる逆転判決を言い渡した。

 「預金の払い戻しには通帳と印鑑が必要」と同行の規定の一方で、ATMでは通帳だけで引き出させるようになっていたことが過失かどうかが争点となった。

 上田豊三裁判長は「銀行側が注意義務を尽くしたというためには、通帳だけでも払い戻しできることを、規定で預金者に明示する必要がある」と指摘し、銀行側の過失を認めた。

 男性は一九九九年、預金通帳が置いてあった自家用車を盗まれ、翌日に喪失届を提出したが、すでに三カ所のATMから約八百万円が引き出された後だった。

 同行のATMでは、通帳だけで一回に五十万円まで預金を引き出せ、回数制限はなかった。現金を引き出した者は、車のナンバーから暗証番号を類推し、一時間ほどの間にATMを計十七回操作していた。

 一審福岡地裁と二審福岡高裁は「暗証番号の管理を適切に行えば、他人が預金を引き出す可能性は著しく低く、銀行側に過失はない」などと退けていた。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/detail/20030408/fls_____detail__018.shtml

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