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2003年04月05日(土) 14時50分

食物アレルギー児が急増 京都市、重度児支援へ本格化京都新聞

 特定の食べ物で皮ふに発しんができたり、喘ぜん息そく症状などを起こす食物アレルギーの園児が増えている。京都市内の保育所(園)などでは、園児35人に1人が、何らかの食物アレルギーを持ち、発症原因となる食物を含まない除去食を必要としているという。市は新年度から、重いアレルギー反応の園児を対象にした支援策を始めるが、アレルギー児の保育には、園児や保護者の心のケアなどを含めて課題も多く、取り組みの成果が注目されている。

 右京区内のある保育所の調理室には赤い印を付けた給食献立表が張り出されている。園児の食物アレルギーを持つ4歳女児が、食べることのできる料理を知るためだ。この女児は、豚肉や豆腐などを食べると激しい発しんが出る。

 同保育所では毎月、職員と女児の親が献立をチェックし、食べられない料理の代替食を検討する。例えば、野菜きんぴらの場合、女児はサラダ油を摂取できないため、栄養士らが、いためる前に女児の分だけ材料を取り置き、別の安全な調味料で味付けする。汁物など分配が難しい時は、保護者が自宅で調理したものを持参する。

 給食を食べる時の配慮も必要だ。上京区の保育所では、卵アレルギーの3歳女児の給食には、保育士1人が付きっきりで面倒を見る。他の園児が床にこぼした卵を含め、卵料理に触れさせないようにするためだ。

 食物アレルギーは、アレルギーのもとになる抗原を摂取すると起きる。環境汚染などが影響しているともいわれるが、原因ははっきりしない。

 市保育課の調査では、除去食が必要な園児は681人で、「公営保育所に限っても、食物アレルギー児は、1993年と比べて倍増している」(昨年6月現在)という。

 市の支援策は、呼吸困難や血圧低下などを起こし、生命の危機にかかわるアレルギー反応「アナフィラキシー症状」の園児を対象に、在籍数に応じて保育士を追加配置したり、雇用費を補助する。症状の認定方法や保育士の配置基準はまだ未定だが、保育関係職員の研修も充実させる。

 食物アレルギーは、除去食を用意する苦労や周囲の無理解から、保護者の悩みは深い。「周囲から母親の責任だとしかられた」「『親が食べさせないから治らない』と言われた」などという心労も絶えない。

 京都アレルギーの子を持つ親の会(あとむくらぶ)=事務局・左京区=代表の長野美和子さん(42)は「市の支援はうれしいが、今後、重度に限らず、食物アレルギー児全体へと支援対象を拡大してほしい」と話し、管理栄養士の田中浩子さん(37)=北区=は「正しいアレルギーの知識を持つと同時に、『食べたくても食べられない』園児や、保育に苦労する保護者への理解を広げることが大切」と訴えている。

(京都新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030405-00000028-kyt-kin

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