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2003年03月29日(土) 11時34分

増える偽造カード被害 防衛策に決定打なし中日新聞

 【愛知県】クレジットカードが知らないうちにコピーされ、他人が買い物を続ける−。「スキマー」と呼ばれる機械でコピーされた偽造カードによる詐欺被害は、全国で年間150億円近くに上る。遅ればせながらカード会社も対策に乗り出し、東区では小売店との連携プレーで犯人1人を捕まえた。しかし、まだ犯罪抑止の決定打にはなっていない。警察はカード利用者に「自己防衛の心構えを」と呼び掛けている。

 東署は28日、偽造カードで2月下旬にパソコンを買った千葉県出身の無職男(30)の逮捕に協力したとして、東区内の家電量販店の店員2人に感謝状を贈った。

 お手柄の店員のほかに、陰で犯人逮捕に活躍したのが「スナイパー」と呼ばれる不正検知システムだ。今回、不正使用されたカード会社「UFJカード」が独自に開発した。偽造カードによる買い物パターンをコンピューター入力。その傾向に合致したカード取引は、即座に監視チームの見つめる画面に表示される。

 今回は、カードの所有者が東京在住にもかかわらず、名古屋で高額のパソコンを購入したことにシステムが反応した。監視チームが電話で店舗に問い合わせ、犯人の書いた署名の漢字が間違っていることが分かり、逮捕につながった。

 日本クレジット産業協会によると、偽造カードによる被害は1997年の12億円が、2001年には145億円へ激増している。

 危機感を覚えたカード会社各社は数年前から、UFJカードと同様にそれぞれ対策を講じている。しかし、まだ被害を減らすまでには至っていない。昨秋から稼働している「スナイパー」も、カード偽造後の悪用をチェックできるだけで、根本的な解決になっていないからだ。

 コピーの手口は簡単だ。カードの磁気テープから情報を読み取る手のひらサイズの「スキマー」が出回っており、カードをすっと通すだけで情報が蓄積される。空き巣に入ってカードだけコピーしたり、夜間に店舗へ忍び込み、カード読み取り機に「スキマー」を分からないよう設置して後日回収したり。所有者の気付かないうちに、さまざまな手段で電磁情報が盗まれている。

 今回のケースでも、東署員がカード所有者の男性会社員(37)に連絡すると「何のことですか」と驚いたという。どこでコピーされたか、見当すらつかない。東署員は「所有者の知らないうちに、どんどん被害が広がるのが怖い」と指摘する。

 逮捕された男は、前日に別の偽造カードを使って市内の四店舗で商品を買い、古物商に約31万円で売却していた。逃げた仲間のかばんからは、偽造カード約50枚が見つかっている。

 根本対策として3年ほど前から、大手カード各社が協力し「現段階でコピー不可能」と言われるIC(集積回路)チップ付きのカード導入に取り組み始めた。

 しかし、小売店にICチップ専用のカード読み取り機を新しく設置してもらう必要があり、普及には時間がかかりそう。「5年後にカード取引の約8割をICチップに改めるのが目標」(UFJカード)という状況だ。

 当面は、コピーされるリスクを背負いながら磁気テープのカード取引が続く。東署員は「利用者が毎月の請求に異常がないかチェックするのが、最善の防衛策」と話す。(中日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030329-00000009-cnc-l23

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