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2003年03月26日(水) 14時30分

債権回収装い金を脅し取る ヤミ金融だましの新手口 宮城河北新報

 ヤミ金融のだましの手口が様変わりしている。法外な利息や過激な取り立てがヤミ金融の代名詞になっているが、最近は架空の債権譲渡話を持ち掛け、一回で多額の金をだまし取る大胆な手口が目立つ。大手消費者金融「アイフル」(本社京都市)の利用者を狙った被害が表面化したが、氷山の一角にすぎない。多重債務者のリストが業者間で出回り、悪用されている疑いが強く、債務者は不安におびえている。(報道部・木村正祥)

<執ような電話>
 仙台市近郊に住む男性会社員は2月中旬以降、「電話」に神経をとがらせている。
 「貸金業界の方から正式に依頼され、債権を回収している。このまま払わないと強制執行になる」。男は業者名と連絡先を告げ、電話を切った。

 電話は自宅、携帯電話、勤務先に執ようにかかり、十数万円を都内の銀行口座に振り込むよう指定した。「払わなければ、家族や親族に迷惑が掛かることになる」とだめ押しをした。脅し文句が男性の耳にこびりついて離れなかった。

 男性は家族に内緒で消費者金融を利用していた。残高は約100万円。雑誌の広告を見て、貸金業者に借金を申し込んだこともあった。「借金していることを絶対、家族に知られたくない」。秘密を守りたい一心で、言われた通りに金を振り込んだ。

<別の業者から>
 それから10日余り、別の業者が同じような請求をしてきた。債権譲渡額は十数万円だという。別口で十数万円を払ったことを話すと「うちを信じないなら裁判で争いますか」と切り返された。「借金がばれるかもしれない」。男性はパニックに陥り、翌日、指定口座に金を振り込んだ。

 だが、電話はやまない。数日後、見知らぬ電話番号が携帯電話の着信記録に残っていた。恐る恐るかけてみると、相手は貸金業者を名乗った。「電話番号をなぜ知っているのか。個人情報が知れ渡っているのか」。得体の知れない恐怖が男性をさいなむ。

 宮城県貸金業協会には、2月だけで債権譲渡に関する相談が12件寄せられた。「債権譲渡を持ち出せば、まとまった金をだまし取れると狙っているのだろう」と担当者。狙われたのはヤミ金融の利用者ばかりで、60万円をだまし取られたケースも。

 「債権調査組合」「○○興業」などと「いかにも勇ましい業者名を名乗って恐怖心を植え付け、最後は『借金を親族縁者に触れ回るぞ』と脅し文句で締めるのが特徴」とされ、協会は「借入先に確認すれば、債権譲渡はうそだと分かる。冷静に対応してほしい」と呼び掛ける。

 2度にわたって被害に遭った仙台市近郊の男性は今月中旬、宮城県警に被害を申告した。「電話番号を変えれば、業者からの連絡を絶てる」とアドバイスされたが、男性は「複数の業者がつるんでいる。このままだと被害者は増える一方だ」と摘発を願うばかりだ。
[河北新報 2003年03月26日](河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030326-00000017-khk-toh

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