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2003年03月16日(日) 00時00分

イレッサ副作用 販売会社を損賠提訴へ 東京新聞

 間質性肺炎などの副作用で患者の死亡が多発した肺がん新薬イレッサをめぐり、亡くなった患者の遺族が「副作用の危険性を医療機関に迅速に警告するなどの対応が不十分だった」として、輸入販売会社アストラゼネカ(大阪市)に損害賠償を求める訴訟を起こす方向で検討していることが十五日、分かった。

 短期間の審査でイレッサを承認した厚生労働省の審査内容にも疑問があるとして、国を被告に加えることも視野に薬害問題に詳しい弁護士らと準備を進め、ほかの遺族にも訴訟参加を呼び掛けて集団提訴を目指す。

 提訴を検討しているのは、イレッサ服用後に間質性肺炎によるとみられる急性肺障害を発症し、昨年十月に死亡したさいたま市の近沢三津子さん=当時(31)=の父親、近沢昭雄さん(59)。

 イレッサは新しいタイプの肺がん治療薬として国の優先審査の対象となり、約五カ月のスピード審査で昨年七月に承認された。だが、発売後に間質性肺炎など肺障害の副作用報告が相次ぎ、これまでに百八十人以上の死亡が報告されている。

 アストラゼネカの社内文書によると、同社は昨年九月上旬に死亡七例を含む間質性肺炎の副作用情報計十三例を把握し、「イレッサとの関連性を否定するのは難しい」として、医療機関に副作用の危険性を警告するため添付文書の改訂を検討することを決定した。

 しかし実際は、厚労省の指導で十月十五日に緊急安全性情報を出すまで改訂は実現せず、既存の添付文書より踏み込んで医療機関に警告するなどの対応もなかった。

 アストラゼネカ側は「誤った情報で混乱を招かないよう注意深く検討を進めていた。医師への説明時には、間質性肺炎を重大な副作用の一つとして必ず伝えるようにしていた」としている。

 近沢さんは「副作用であれだけ苦しんだ娘の死を無駄にしたくない。泣き寝入りしている遺族も多いと思うが、一緒に声を上げてほしい」と訴えている。近沢さんの連絡先は電話048(653)3998。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20030316/mng_____sya_____011.shtml

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