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2003年03月12日(水) 14時30分

県産米の誇りに泥 夢つくし偽装 県庁職員「まさか」 「食味にムラ」以前から西日本新聞

 食品業界のモラル崩壊は、どこまで広がっているのか。十二日朝、福岡県警が摘発に乗り出した福岡県産米「夢つくし」の偽装表示事件。家宅捜索を受けた米穀卸売会社「内田米穀」(福岡県須恵町)のコメは、以前から「食味にムラがある」などと、被害に遭った県庁食堂の従業員らから苦情が出ていたという。地元ブランド米として地域が一体となって育ててきた「夢」への裏切り行為。県内の生産農家、消費者からも怒りの声が上がった。

 ■県  庁

 「夢つくし」の販売促進を担当している県農業振興課には十二日、早朝から消費者や報道機関の問い合わせが相次ぎ、職員が情報確認に追われた。職員の一人は「県が全面的にPRして、やっとブランド力がついたところだったのに」と落胆の表情。県幹部は「イメージに泥を塗られた」と怒りの声を上げた。

 同県内では、昨年十二月に全国農業協同組合連合会同県本部による八女茶の偽装表示事件があったばかり。相次ぐ食品偽装を受け、「食品表示110番」を設置している生産流通課の職員は「お茶の次は米か。それもまさか、うちの食堂で起きるとは…。日本農林規格(JAS)法や景品表示法に抵触する可能性もある」と肩を落とした。

 記者会見した県農業振興課の野村泰夫課長は「違うものを混ぜていたという報道に大変ショックを受けている。関係法令に基づき、適正に指導したい」と語った。

 一方、福岡県内の公立学校の給食はすべて夢つくしを使用。しかし県教委の担当者は「玄米と精米段階で二重の検定を行っており、不正はない」と話している。

 ■食  堂

 偽装米が納入されていた県庁(福岡市博多区)の地下食堂。詰めかけた報道陣に対し、楠田浩徳支配人は「『100%』と信じてたのに…」と言葉を詰まらせた。

 楠田支配人によると、同食堂は二つの業者から毎月二トン購入。このうち摘発を受けた業者のコメだけは「食味が硬かったり軟らかかったりムラがある」「おいしくない」などの声が利用客からも寄せられ、再三クレームがついていたという。楠田支配人は「まさか違うコメが混ざっていたとは…」。

 営業前の仕込み作業をしていた同食堂のパート従業員松本加代子さん(52)は「生産者とお客さまに対して二重の裏切りだ」と怒りの表情。同食堂に食事に訪れた福岡市内の会社員男性(34)は「人体に害がないとはいえ、こうした偽装は氷山の一角かもしれない」と不安げな様子だった。

 ■業  者

 内田米穀(同県須恵町)の事務所兼倉庫には午前七時半ごろ、県警の捜査員約十人が入り、関係資料の押収などを始めた。三カ所ある倉庫のシャッターは閉じられた状態で、普段なら頻繁に出入りする運搬用トラックも駐車場に停車したまま。事務所はひっそりと静まり返った様子だった。上空には報道ヘリも飛び交い、ものものしい雰囲気に包まれた。

 午前九時半すぎには「新聞を見て驚いた」という取引先業者の男性が駆け付けた。業者は内田米穀に対し、夢つくしも含めた数種のブランド米を納入しているといい、「ウチのコメが偽装に使われていなければいいが…」と心配そうな表情を浮かべていた。(西日本新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030312-00000074-nnp-kyu

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