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2003年02月27日(木) 03時01分

医療事故:現場で隠ぺい横行 看護師に責任転嫁も毎日新聞


 医療事故を起こした医師が看護師に隠ぺいを指示したり、責任転嫁したりする医療現場の実態が、毎日新聞に寄せられた複数の看護師の証言で浮かんだ。背景には医療現場の密室性や、看護師の弱い立場がある。医療機関からの事故報告制度の導入を検討している厚生労働省の検討部会は27日、制度の骨子案を公表するが、看護師らは「報告を義務付けて情報開示を進めなければ、隠ぺい体質は変わらない」と訴えている。 【医療問題取材班】

 数年前、東京都内の病院で看護師が胃かいようの患者の内服薬を用意した際、ナースコールで呼ばれたため、薬をナースステーションの一室に置いたまま離れた。その薬を研修医が別の患者の注射薬と勘違いして投与し、患者はアレルギー性ショックで死亡した。

 研修医は薬の確認を怠っていたのに「ほかの薬と一緒に飲み薬を置いていた看護師が悪い」と責任を押し付けた。看護師には記録に「症状が劇的に変化して亡くなった」とだけ書かせ、遺族に事実を伏せたという。看護師は「責任逃れをしたうえミスを隠す医師の態度は許せない」と言う。

 東京近郊の総合病院でも数年前、看護師が準備した胆道の洗浄液を医師が誤って腕に点滴してしまった。大事には至らなかったが、入院期間が延びた。医師は院内で「看護師が間違えた」と主張し、看護師には「患者に何も言うな」と口止めしたという。この看護師は「院内で事故がうやむやにされることが少なくない」と打ち明ける。

 都内の別の病院では、整形外科の手術後に不整脈を起こした患者に、医師が過って10倍も高い濃度の点滴をして脈拍が下がり始めた。看護師がすぐに気づいて無事だったが、医師は「看護師のミス」と上司に報告し、看護師には「看護記録には何も書かなくていい」と指示したという。

 厚労省は医療事故の再発防止に役立てるため、事故例を全国の医療機関から集めて分析することにしているが、医療側は報告の義務化に反対している。看護師の一人は「医療機関の隠ぺい体質を考えれば、任意報告にすると事故を報告しないケースが多いのではないか」と心配する。

[毎日新聞2月27日] ( 2003-02-27-03:01 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030227k0000m040155000c.html

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