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2003年02月27日(木) 12時11分

バッジ不正入手し「ニセ弁護士」に 無資格活動の疑い朝日新聞

 大阪弁護士会所属の弁護士になりすまし、戸籍や住民票を入手できる弁護士専用の申請書をだまし取ろうとした男が、大阪府警天満署に詐欺未遂容疑で現行犯逮捕されていたことが26日、わかった。本物とみられる「弁護士バッジ」を不正に入手し、胸につけていたという。男は資格がないのに依頼人から着手金を受け取って調査活動をした疑いも浮かんでおり、同弁護士会は近く弁護士法違反などの疑いで同署に刑事告発する方針だ。同署は、さらに余罪があるとみて調べている。

 男は大阪府富田林市西板持町の無職、山田捷雄容疑者(63)。

 調べによると、山田容疑者は2月13日、ブレザーの胸元に「弁護士バッジ」をつけ、実在する弁護士を名乗って大阪市北区の同弁護士会館を訪れ、戸籍や住民票を閲覧・謄写できる弁護士専用の「職務上請求書用紙」1冊(50枚、350円)を詐取しようとした疑い。

 弁護士会が通報し、駆けつけた署員が現行犯逮捕した。山田容疑者は今月初めにも別の所属弁護士を名乗って請求書の交付を求めてきた。応待した職員がその弁護士を知っていたため不審に思い、弁護士会が、請求書を受け取りに来る同容疑者を待っていた。

 押収されたバッジの裏側には、逮捕時に名乗った弁護士の登録番号と、再発行したものであることを示す数字の刻印があった。だが、この弁護士は「容疑者と面識はなく、バッジを紛失して再発行を受けたことも一度もない」と話したという。

 その後の捜査で、バッジを発行する日本弁護士連合会が87年、この弁護士について再発行の手続きをとっていたことが判明した。同署は、バッジは本物である可能性が強いとみて、入手方法などを調べている。

 日弁連によると、バッジの再交付申請は所属の弁護士会を通じて受け付け、再交付も弁護士会が窓口になって本人に渡すことを会則で定めている。日弁連審査課は「バッジは会則に従って適正に交付しており、受け渡しの際に弁護士以外に渡ることは考えられない」と戸惑っている。

 また昨年11月には、和歌山県内で「ニセ弁護士」による調査活動が発覚した。山田容疑者が逮捕時に名乗った弁護士名義で、男が旅館の排水に関して保健所に文書で照会を求めた。文書には大阪弁護士会の会長名の偽の印鑑も押され、調査の依頼人は男に着手金まで払っていたという。同署は山田容疑者が関与した疑いが強いとみている。

 大阪弁護士会の中川克己副会長は「大胆不敵な手口で看過できない。今後、弁護士への発行物に関しては厳正な身分確認に努めるとともに、弁護士の信頼を失墜させる犯罪には厳しく対処したい」と話している。(11:57)

http://www.asahi.com/national/update/0227/012.html

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