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2003年02月25日(火) 21時38分

雪印食中毒事件:論告求刑で組織の責任触れず 被害者側落胆毎日新聞


 「会社の責任は?」——。戦後最大級の集団食中毒事件にもかかわらず、検察側が論告で背景や社長らの責任に触れなかった点について、被害者らは落胆の表情を浮かべた。民事訴訟で雪印乳業の責任を追及している被害者弁護団の田中厚弁護団長は「大きな争点が欠落している感じだ」と感想を述べた。

 事件では元社長ら経営トップが、食中毒の発生を知りながら適切な対応を取らず、公表・回収が遅れて被害を拡大させたことが明らかになっている。激しい下痢やおう吐に苦しんだ約1万5000人もの被害者には「組織ぐるみの犯罪」との思いがぬぐえない。

 論告は「牛乳は老若男女が健康食品として広く愛用しており、安心・安全と思われてきた(雪印)ブランドへの信用を失墜させた」と久保田修・同社元大樹工場長ら2被告の責任を厳しく指摘した。しかし、被害者らに言わせれば「信用を失墜させたのは会社。問われるべきは幹部」だった。

 被害者らは禁固2〜1年6月という求刑にも不満を隠さない。「検察は消費者の味方のようなことを言っているが、あれでは『どうぞ執行猶予にしてください』といわんばかりの求刑だ」と田中弁護団長。山本雄大・弁護団事務局長も「戦後最大級の食中毒事件の刑事責任追及がこれでは……」と歯がゆそうだった。 【山本直】

[毎日新聞2月25日] ( 2003-02-25-21:38 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030226k0000m040094002c.html

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