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2003年02月24日(月) 14時35分

私大前納金返還の流れ 訴訟、文化省指導が契機 九州でも次々 経営難招く懸念も西日本新聞

 「入学しないのに、払い込んだ授業料などを返さないのはおかしい」と、受験生や保護者の批判が強かった私立大学の入学前納金が、今春からその大半で、授業料を中心に返還の方向となった。受験生の声に押された文部科学省が、この問題に配慮するよう指導したのが主な要因。長引く不況下、保護者には吉報だが、大学関係者からは「一部私大の経営を圧迫し、淘汰(とうた)につながる」との指摘も出ている。

 大学受験では、複数大学を併願し、第一志望の合格発表前に、合格した他校へ入学金や授業料、諸費用(教育充実費など)を納入しておくのが一般的。文科省によると、昨春の私大昼間部入学者の場合、入学金は平均約二十八万円、年間授業料は同八十万円、諸費用は同二十万円。多くの私大は昨春まで、入試要項で「理由を問わず授業料などは返還しない」と定めており、第一志望に合格した場合、他校への前納金は無駄となっていた。

 しかし、これに異議を唱え、大阪の元受験生らが返還訴訟を提訴。文科省も昨年五月、私大に対し、要項から「返還しない」との条項を削除するよう通知し、各大学が見直しを進めていた。

 大手予備校・代々木ゼミナールが昨年十一月に行った調査によると、私大五百二十二校のうち、今春から何らかの返還制度を設けたところは四百五十六校に上る。

 九州でも「返還は時代の流れ」などとして九州産業大(福岡市)や立命館アジア太平洋大(大分県別府市)などが今春の入試から返還制度を導入。福岡大(福岡市)も一般入試の合格者に同様の措置を取った。西南学院大(同)は、一九九九年春に、入学辞退者への授業料などの返還制度を設け、今春からは推薦合格者にもこの制度を適用するという。

 しかし、ほとんどは授業料が対象で、入学金は返還しない。私大にとって、返還制度の導入が経営に及ぼす影響は大きいためで、人気が低い大学ほど事情は深刻。

 日本私立学校振興・共済事業団財務相談支援センターの塚田茂・主任研究調査員は「大学は収入が減ったからといって、どこかの部署をリストラするといった柔軟性が組織にない。学生からの納入金が全収入の七割を占める現状では、学生確保が、生き残りの最重要課題だ」と話している。

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ワードBOX=入学前納金返還訴訟

 「入学を辞退したのに、納めた授業料などが戻ってこないのは消費者契約法に反し、学校の不当利得にあたる」などとして、元受験生らが私大を相手に起こした訴訟。昨年6月の大阪地裁への提訴を皮切りに東京、横浜地裁などで計295人が96学校法人に返還を求めている。入学金を除く納付金の返還で和解したケースもあるが、大半の大学は「入学金は、入学の予約金的性格を持つ」と主張している。(西日本新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030224-00000072-nnp-kyu

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