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2003年02月23日(日) 03時50分

<シックスクール>教科書で児童ら症状悪化 表紙の溶剤が原因か毎日新聞

 シックハウス症候群の重症例である化学物質過敏症(CS)などになった児童・生徒が教科書のインキやコーティング材料で体調が悪化するとの訴えを受け、教科書協会(事務局・東京都江東区、加盟57社)は「アレルギー問題特別委員会」を設け、調査研究に乗り出した。既に文部科学省に対し、教科書のカラーコピーでの再製本で症状を軽減する効果があったと報告している。協会は子どもが日常使う教科書による被害を重視し、対応方法などを本格的に検討する。

 児童・生徒らが化学物質の影響でシックハウス症候群と同様の状態になることをシックスクールとも呼び、文科省も調査を進めている。

 協会によると、昨年6月以降、CSの子どもらが通学する学校の校長や教育委員会から「教科書のにおいでアレルギー性の症状が起きる」などと約10件の訴えが協会にあった。このため、協会は学校や児童宅を訪問するなど調査してきた。

 その結果、教科書の表紙などの影響で頭痛、腰痛、のどの痛み、筋肉のけいれんが起きたり、情緒面で不安定になったりする子どもがいた。CSの児童の主治医は「表紙の材料に使われている溶剤に反応している場合が多い」と説明した。また、教科書出版会社が症状を訴える子どもらにカラーコピー本を作成して提供したところ、効果があったという。

 一方、協会の問い合わせに印刷や製紙の業界などは、シックハウス症候群の原因となる化学物質のトルエンなどを教科書に使用していることは認めたが、「熱加工するので印刷物への残留は考えられない」「全く問題のないレベルと判断する」などと回答したという。

 協会はこうした調査結果を中間報告にまとめるとともに、教科書材料やインキなどに詳しい4社の委員で構成する特別委を今年1月に設立した。

 CSの子どもの保護者らでつくる市民団体「シックハウス連絡会」は今月、「天日干しやコピーによる対応には限界がある」などとして教科書材料の見直しを求める要望書を協会と文科省に提出した。 【大島秀利】

 文科省教科書課の話 教科書は児童らが直接使うものなので、教科書協会が念のためいろいろな可能性を考えて対応していると理解している。情報収集していきたい。

●ことば=シックスクール

 ホルムアルデヒドなどの化学物質に反応して体調を崩すシックハウス症候群や、その重症例の化学物質過敏症の症状が、学校内で児童・生徒・学生らに起こる状態。学校や自宅などの新築・改築や農薬散布などが発症のきっかけになり、教職員がかかる場合もある。体が化学物質に鋭敏になるため、教科書などの印刷物やワックス、殺虫剤、芳香剤、プールに含まれる塩素、理科室の化学薬品などにも反応する。

 症状としては、頭、目、のどの痛みのほか、鼻血やせきが出たり、呼吸困難になることもある。こうしたことを理由に、不登校になる児童らもいる。

 1月に東京で行われた「化学物質による空気汚染と健康影響の現状と将来動向に関する国際会議」は、シックスクールの児童らへの援助態勢の確立を求めるアピールを採択した。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030223-00000086-mai-soci

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