悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録

2003年02月21日(金) 20時51分

[どう働く?女と男の新時代]在宅ワーク/下 /佐賀毎日新聞

 ◇過剰な期待に落とし穴も
 「子供が小さいから、家でできるパソコン入力の仕事、ないですか」。受話器の向こうで赤ちゃんが泣いている。県内7カ所で受け付けている女性就業相談には、こんな電話が月130件ほど寄せられる。
 例えば23歳の主婦。子供は1歳に満たず、車は持っていない。「何か在宅ワークを」との希望に対し、相談員のアドバイスは「今は育児に専念して家計を切り詰めたほうがいいですよ」だった。
 「SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)」が一般的に知られ、「家事の合間にパソコンで高収入」など通信講座の宣伝文句が飛び交う。ところが「県内にそんな仕事はありません」と、県立女性センター・アバンセの女性就業援助スタッフは断言する。
 県内には大企業が少ないうえ、最近は企業の情報管理が厳しくなった。パートや派遣社員なら人件費を抑えられるため、わざわざ外部の素人に大切な情報を渡さないのだという。
 県内の在宅ワークは、靴下や車のハンドルカバーの縫製、チラシ配りなどの昔ながらの内職が主流というのが現実だ。しかしその内職でさえ、製造業の不振や機械化、海外発注などで淘汰(とうた)されつつある。
 アバンセには内職希望者の登録制度があり、常に約250人が登録。求人があればあっせんするが、毎月の求人はせいぜい5人未満だ。「完全な求人側市場。即戦力と高度な技術が求められ、商品の引き渡しには出向かなければならない。それでいて単価が安く、月1万〜2万円という場合もあります」
 そんな厳しい事情につけこんだ「内職商法」も急増している。県消費生活センターに02年に寄せられた内職商法の相談件数は187件で、00年から57件増えた。「登録料60万円を要求された」「資料請求しただけで契約書が送られてきた」などと被害は深刻。江口妙子副所長は「以前は報酬トラブルが多かったが、最近は教材購入や資格試験を勧めて、結局仕事はやらない、という巧妙な手口が増えている」と嘆く。
 甘いささやきの裏の落とし穴は、在宅ワークに過剰に期待しがちな求職者への警告でもある。求職者には、母子家庭で外に出られないという人もいれば、「再就職までのつなぎで」「母親が働いていた方が子供を保育園に入れるのに有利」などと在宅ワークに手軽さを求める人がいるのも事実だ。
 「3日頑張って1000円よ。それでもいいの?」。県内のある女性就業相談員は電話口でくぎを刺す。「脅しではない。それだけの覚悟がないと続かないから。あっせんした人が続けてくれないと、次の求人が来ないんです」【小林明子】
………………………………………………………………………………………………………
 「どう働く?女と男の新時代」へのご意見や体験談をお寄せ下さい。連絡先を明記のうえ〒840—0834 佐賀市八幡小路2の1毎日新聞佐賀支局へ。ファクスは0952・26・1284。メールはsaga@mbx.mainichi.co.jp(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030221-00000002-mai-l41

この記事に対するコメント/追加情報を見る

ニュース記事一覧に戻る

トップページ