悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録

2003年02月17日(月) 22時35分

「研究」と言わず治療、金沢大病院に賠償命令読売新聞

 金沢大学医学部付属病院(金沢市)で1998年、抗がん剤を投与された際、研究対象になっているとの説明を受けなかったとして、患者の家族が国に対し900万円の慰謝料を求めた訴訟で、金沢地裁(井戸謙一裁判長)は17日、無断で患者を研究対象とし「(患者の)自己決定権を侵害し、診療契約にも違反した」として、国側に計165万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 判決によると、同病院で卵巣ガンの手術を受けた石川県内の50歳代(当時)の女性患者に、担当医師は98年1月、抗がん剤治療をすることを決め、投与スケジュールや副作用について説明した。しかし、確立している2種類の治療法を使って、最適な方法を探る研究の対象にすることには触れなかった。

 抗がん剤投与は、女性に腎機能障害が認められたため中止された。女性は別の病院で治療を受けたが約1年後に死亡した。

 裁判では、研究が、患者への文書による説明と同意が義務付けられている新薬などで行う臨床試験にあたるかどうかが争われた。

 判決では、「臨床試験であるなしにかかわらず、治療以外の目的がある時には、患者に受け入れるかどうかを判断する機会が与えられるべきで、医師にはその説明をする義務がある」とした。

 同病院は「関係機関と相談したうえで控訴するかなどを決定したい」としている。

(2月17日22:35)

http://www.yomiuri.co.jp/04/20030217i414.htm

この記事に対するコメント/追加情報を見る

ニュース記事一覧に戻る

トップページ