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2003年02月14日(金) 12時01分

手続き違法、採尿を証拠とせず 覚せい剤使用は上告棄却朝日新聞

 警察官が窃盗事件の逮捕状を携行し忘れ、容疑者の男性に示さず逮捕したら、尿から覚せい剤反応が出た。さらに自宅を捜索したところ、覚せい剤が見つかった——こうした場合、男性を罪に問えるかが争われた裁判の上告審判決が14日、あった。一、二審判決は覚せい剤の使用も所持も無罪と判断。検察側が上告していたが、最高裁第二小法廷(梶谷玄裁判長)は「逮捕手続きには重大な違法があり、採尿結果は証拠にならない」として覚せい剤使用について検察側上告を棄却した。男性の一部無罪が確定する。

 証拠収集手続きの重大な違法を理由に最高裁が証拠を排除する判断をしたのは初めて。

 しかし、第二小法廷は覚せい剤の所持については、「自宅の捜索は令状に基づいて適法に行われており、自宅で見つかった覚せい剤と、採尿結果との関連性は密接ではない」と判断。所持についても無罪を言い渡した一、二審判決を破棄し、審理を一審・大津地裁に差し戻した。

 梶谷裁判長は「警察官がうその報告書を書いたり、公判でうそを証言したりして違法を隠そうとした態度も考えると、逮捕手続きの違法は、令状主義の精神を没却する重大な場合だ」と述べた。

 最高裁大法廷は78年、「逮捕手続きの違法が令状主義の精神を没却するような重大な場合」は、逮捕の結果得られた証拠を有罪の証拠として使えない、という原則を示している。

 <荒木伸怡・立教大教授(刑事法学)の話> 適正手続きを保障し、将来の違法捜査を抑制する観点から大いに意味がある。警察官のうそを正面から認めた点も評価できる。ただ、「違法逮捕に続いて集めた証拠でも、新たに令状をとればよい」とした点には議論があるところだろう。

(11:44)

http://www.asahi.com/national/update/0214/019.html

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