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2003年02月09日(日) 03時01分

イレッサ:「不明な影響」隠してPR  輸入販売元毎日新聞


 抗がん剤「イレッサ」(一般名ゲフィチニブ)の輸入販売元のアストラゼネカ社(本社・大阪市)が、正常な細胞への影響は不明にもかかわらず、ホームページ(HP)などで「正常細胞への攻撃は少ない」と宣伝していたことが分かった。「効果が高く、副作用が少ない」との前評判を受け、発売直後に一気に多くの患者が使って副作用死が多発しており、宣伝のあり方が問われそうだ。

 イレッサは、がん細胞の表面にあって増殖に関係する「EGFR」と呼ばれる分子の働きを妨げる薬として開発された。細胞を直接殺す従来の抗がん剤のように、正常な細胞も殺してしまう副作用が起きないとして、正常な細胞への影響は少ないと期待された。

 ア社は発売後の昨年9月以降、HPや患者向けパンフレットで、イレッサの特徴として、「がん細胞を直接攻撃するのではなく、EGFRの働きを止めることで、がん細胞の増殖を抑える。したがって、正常な細胞への攻撃は少ないと考えられている」と宣伝した。

 実際には、発売前の臨床試験では、EGFRが多いとされるタイプのがんより、少ないタイプの方が効果が高く、イレッサはEGFRの働きを抑える以外の形でも作用していると考えられるようになっていた。また、EGFRは肝臓や肺などの正常な細胞にもあり、厚生労働省の医薬品医療機器審査センターは審査過程でア社に対し、正常な細胞への影響を検討するよう求めていた。

 ア社は「説明は、従来の抗がん剤のように、細胞の生死にかかわるDNAを直接攻撃しないという意味。攻撃で骨髄の働きを抑制して起きる白血球減少などの副作用が少ないという意味では正しい説明だ」と話していた。しかし、毎日新聞の取材を受けた後、HPの説明を「骨髄細胞などの正常な細胞への影響は少ないと考えられている。がんを小さくする仕組みや正常細胞への影響などの詳細は、まだわかっていない」と訂正した。 【鯨岡秀紀、高木昭午】

[毎日新聞2月9日] ( 2003-02-09-03:01 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030209k0000m040102000c.html

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