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2003年02月08日(土) 22時40分

<BSE>神奈川県伊勢原市の肉牛、判定できず 厚生労働省毎日新聞

 厚生労働省の専門家会議(座長、品川森一・動物衛生研究所プリオン病研究センター所長)は8日、黒毛和種の肉牛(20歳、雌)について、BSE(牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病)に感染しているかどうかの判断を保留し、再検査すると発表した。01年10月から実施している全頭検査で結果が明確に判定できなかったのは初めて。この牛の肉や内臓は感染牛と同様に出荷禁止となり、農水省は同じ牧場で飼われている牛の移動・出荷の自粛を求めた。

 この牛は83年1月1日に島根県の農家で生まれ、栃木県の農家を経て神奈川県伊勢原市の農家に引き取られた。

 今月5日に神奈川県厚木市の食肉処理場で解体処理され、BSEの1次検査で陽性と判定された。6日から国立感染症研究所(東京都新宿区)で2次検査を行ったが、陽性の反応がはっきり出なかった。専門家会議でも結論が出ず、今後は食肉加工場に保管されている脳の組織のたんぱく質を濃縮して再検査し、マウスに与えて感染するかどうかも調べる。

 品川座長は「高齢の牛のデータがなく、陽性とも陰性とも判断できなかった。海外でも判定できなかった例があり、再検査でも確実に判定できるかどうかは分からない」と話している。

 農水省によると、伊勢原市の農家には、飼育している230頭の肉用牛の出荷停止を求め、これらの牛の産地やエサなどを調べる。栃木県の農家にも同様の措置をとった。島根県の農家は廃業しているが、県を通じて当時の状況を調べる。

 国内では01年9月に千葉県白井市の乳牛のBSE感染が初めて確認された。翌月から始まった全頭検査ではこれまで約160万頭を調べた。1次検査で102頭が陽性と判定され、2次検査でこのうちの6頭の感染が確認された。

 これまでの7頭は95年12月〜96年4月生まれの乳牛だった。今回は83年生まれの肉牛で、生まれた時期も7頭より十数年も早い。欧州連合(EU)の資料では、01年に1例、20歳の牛の感染が確認されているという。 【BSE取材班】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030209-00000055-mai-soci

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