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2003年01月24日(金) 00時00分

3日後に死ぬ−悪霊払い詐欺の仰天手口“弟子”たちがテニスウエア姿で脅し、勧誘ZAKZAK


押収された“7つ道具” 悪霊払いの名目で多額の現金を詐取したとして、神奈川県警に詐欺容疑で逮捕された自称祈祷(きとう)師、宮崎俊一容疑者(55)=鎌倉市=と“弟子”8人(うち女性6人)。被害は全国で約1700人、約1億5000万円に及び、“餌食”となったのは、ほとんどが女性だった。祈祷師ならぬ詐欺師が女性心理につけ込んだ仰天手口は−。

 JR横須賀線・北鎌倉駅から徒歩10分。細い山道を登ると、墓地近くに木造平屋建ての一軒家が竹やぶに囲まれ、ひっそりと立つ。この古い家が、被害女性らが連れてこられた「祈祷所」だ。

 「一昨年からテニスウエア姿の女が女性を連れていくのをよく見かけた」(近所の自営業者)

 なぜ、被害者は次々に誘い出されたのか。

 宮崎容疑者の弟子は、横浜駅や桜木町駅など首都圏の主要駅に出没。テニスウエアに身を包んだ勧誘役は、ラケットやバイオリンケースなどの小道具を手に通りすがりを装い、20〜50代の女性に声をかけ、相手の警戒心を解いていた。


神奈川県鎌倉市内の「祈祷所」 「地味な女性ばかりを狙い、『事故で人が死んだ場所を歩かなかったか』と誰にも当てはまりそうな話をした後、『背中に内臓がグチャグチャの霊がついている』『あなたの下半身が見えない。3日後、下半身の病気で死ぬ』と恐怖心を煽り、『除霊が必要』と誘い出した」(捜査関係者)

 鎌倉の“祈祷所”には案内役が同行。そして、「伊集院あづさ」を名乗った宮崎容疑者ら祈祷役は、勧誘役と同じ霊が「見える」と話したり、被害者の周辺情報を“霊視”し、信じ込ませた。

 この手口には当然、ウラがあり、「勧誘役が被害者に話した内容や、被害者から聞き出した身内の不幸などの情報を、案内する間に携帯電話で宮崎容疑者に知らせるなど役割分担していたからです」(同)。

 通常の祈祷料は3万円ほどだが、横浜市消費生活総合センターは「60万円から150万円支払った人もいた。取れる人からは徹底的に絞り取っていた」という。

 一昨年秋、この問題が神奈川県内で報道されたことなどから、宮崎容疑者は別の拠点として大阪、岡山などのホテルに臨時祈祷所を設置。被害は全国で約1700人、約1億5000万円に及んだ。

 宮崎容疑者は平成2年ごろ、東京都町田市内で新興宗教を主宰しながら、「弥勒降臨」などを自費出版。7年には低周波電気治療器を使った治療行為などを始めたが、10年に鎌倉市へ移り、除霊を始めていた。

 「祈祷所」から約1キロのアパートで11人で暮らしていた宮崎容疑者。生活は一見地味だが、「真っ赤なBMWを乗り回していた」(近所の主婦)。自宅天井裏などからは現金約6600万円が押収されており、「弟子には小遣い程度の金しか渡していなかった」(捜査関係者)。

 宮崎容疑者はマスコミの取材に「高校生の時、川で死にそうになって霊能力が生まれた」とし、除霊の効果には「お金をいくら出すかで決まる」。勧誘役のテニスウエアには「話を聞いてもらうためのファッションで、信仰する弥勒菩薩もその格好でやれとおっしゃった」とうそぶいていた。

 それにしても、なぜ、女性たちは、だまされてしまったのか。

 精神科医の日向野春総氏は「憑き物に対する恐怖心は8世紀の風土記にも記されているほど古く、同様の詐欺は明治時代から景気が悪くなると起きた古典的な手口。分かっていても引っかかる。日本人の特性としか言いようがない。女性が狙われたのは、何か問題が起きた際、男性は他者に原因を求めるが、女性は『自分が悪い』と自省する傾向が強く、暗示にかかりやすいからでしょう」と分析している。

ZAKZAK 2003/01/24

http://www.zakzak.co.jp/top/t-2003_01/3t2003012410.html

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