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2003年01月23日(木) 19時21分

死亡した父親の年金詐欺 「近所付き合いあれば…」 /新潟毎日新聞

 両親の姿が消え、長男は遺体とともに年金暮らしをしていた。死亡した実父の年金をだまし取った詐欺などの疑いで、新津市草水町1、無職、田辺知明容疑者(50)が21日逮捕、22日新潟地検に送検され、近所の人には衝撃が走った。「近所づきあいがあれば違ったかもしれない」。両親を心配する人が警察に相談したこともあった。父繁雄さん(1915年生まれ)と母テルさん(21年生まれ)とみられる遺体は傷みがひどく、身元の確認に至っていない。長い空白の時間。事件の真相解明には時間がかかりそうだ。【柴田真理子、田苗学、作田総輝】
 ◇両親、3年ほど前から姿見えず
 送検された田辺容疑者は22日午後1時ごろ、新津署から新潟地検に向かった。灰色のトレーナー上下姿で、うつむき加減に車に乗り込んだ。
 また、田辺容疑者の自宅では同時刻ごろ、県警捜査1課などによる現場検証が始まった。報道陣や近所の人が見つめる中、捜査員らが自宅や庭を慎重に調べた。住宅街から離れた自宅周辺はもの悲しい雰囲気に包まれた。
 近所の人の話によると、両親の姿は3年ほど前から見えなくなったという。以前、繁雄さんはよく家のまわりの掃除をしていて、元気だったらしい。田辺容疑者は10〜20代のころ、自衛隊に所属したり、会社勤めをしていたこともあったが、最近は仕事もせず、あまり外出もしていなかった。
 近所に住む男性は「悲しい事件だ。近所づきあいがあれば少しは違ったかもしれない」と残念そうに話した。
 一方、年金をだまし取られた形となった新潟東社会保険事務所の所員らは、困惑した様子を見せた。
 同事務所によると、厚生年金は企業などに最低1年以上勤めていた場合、60歳から受け取ることができる。一度請求が認められれば、生存などを確認するための「現況届」というハガキが年に一度、東京都の社会保険業務センターから送られ、そのハガキに署名して、返送すれば、年金の支払いが続くという。
 本人が現況届に署名するのが原則だが、本人が寝たきりや痴呆症になった場合などは、家族が代理人となり代筆することができる。印鑑などは必要なく、誰が書いたものか正確に確認することができないのが現状だという。本人が死亡した場合は遺族らが「死亡届」を社会保険事務所に提出し、年金の支給を止めなければならない。
 今回の事件を受け、新潟東社会保険事務所は「全国でも聞いたことがないような事件だ。善意を信じるしかないのだが」と頭を痛めていた。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030123-00000001-mai-l15

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