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2003年01月16日(木) 03時30分

<イレッサ承認>厚労省、海外の副作用調査せず 55人死亡毎日新聞

 抗がん剤「イレッサ」(一般名ゲフィチニブ)の副作用問題で、厚生労働省は承認前に海外から副作用報告を約200例(うち死者55人)受けていながら、十分なデータを集めないままイレッサを承認していたことが分かった。同省は「副作用報告の評価が難しかった」と説明してきたが、実際には患者のカルテのチェックなど詳しい調査をしていなかった。

 同省は昨年7月、国内外での臨床試験結果などを基に、世界で初めてイレッサを承認した。

 一方、イレッサは承認前に、使用を希望した各国の患者や海外で行われた別の臨床試験の患者計約1万9000人に使用された。販売元のアストラゼネカ社(本社・大阪市)は、重要な副作用が疑われた患者として、196人を報告した。死者は55人で、問題になった間質性肺炎や急性肺障害の疑いのある死者12人も含まれていた。承認前に、これほど多数の副作用報告があるのは異例だ。

 承認審査をした同省の医薬品医療機器審査センターは、承認申請で提出された国内の臨床試験患者約130人の資料については必要に応じ、カルテや肺のエックス線写真など生データを取り寄せて審査した。しかし、海外からの副作用報告についてはア社に生データやコピーを求めておらず、大半は受け取った報告だけで検討した。

 同センターは、報告の大半について「症例の集積を待って検討する」と副作用かどうかの判断を事実上棚上げし、審査報告書に盛り込まなかった。ア社も、医師向けの説明文書(添付文書)に記載しなかった。

 同省審査管理課は「個々の症例を追究すればデータが集まるかもしれないが、時間がかかる。そこまでの必要はないと判断した」と説明している。 【鯨岡秀紀、高木昭午】

■根本的見直し必要

 福島雅典・京都大教授(薬剤疫学)の話

 副作用を報告した医師のほぼすべてがイレッサと因果関係があるとしたのに、添付文書に書かなかったことは重大な問題で、審査のあり方を根本的に見直す必要がある。危険性情報を警告しなかったために引き起こされた前代未聞の薬害で、ア社は製造物責任法(PL法)違反に問われても仕方ない。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030116-00000172-mai-soci

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