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2003年01月02日(木) 10時22分

「シックスクール」対策、財政難に学校苦慮朝日新聞

 建材などに含まれる化学物質で、学校に通う子どもが体調不良を訴える「シックスクール」。財政難から、学校現場が対策に苦慮している。原因とされるホルムアルデヒドなど化学物質の濃度測定検査さえ十分にできない。基準値を超えた場合も、原因物質を除去する根本的な対策がないのが現状だ。

 東京都調布市立調和小学校。9月に使い始めた新校舎で7人の児童がじんましんなどを訴えた。市教委が化学物質の濃度を測定すると基準値を超えるトルエンが検出された。転校したり、一時的に別の学校に通ったりする子どももいた。

 大阪府堺市の保育所でも昨春、建て替えのために仮設の園舎に移った園児や職員約20人が、直後から頭痛や目の痛みを訴えた。

 だが、検査に対する国の補助制度は整っていない。自治体は1校約30万円かかる検査費用を独自に確保しなければならない。文部科学省は、検査をするように求める通知を出しているだけだ。

 東京都教育庁は8月、比較的新しい都立校21校を対象に調べた。が、これらは1回250円でできる簡易法。新年度からより精度の高い方法で検査するが、都立の280校のすべてを調べるには数年はかかる見通しだ。

 さらに、検査で基準値を上回っても、文科省は「汚染物質の発生を低くするなど適切な措置を講じる」とするだけで、具体的な対策は示していない。

 都教育庁が検査した21校のうち、3校が基準値を5割程度上回った。窓を開けたり、換気扇を回したりして濃度を下げた。担当者も「根本対策はこれから。出来ることから進めていくしかない」。

 埼玉県教委が今夏、公立学校を対象に実施したアンケートでは、同県内1552校のうち37校で「工事後に体調が悪くなった子どもがいる」との結果が出た。

 同県教委は11月末、シックスクールに対する取り組み方針をまとめた。建材や机、コンピューターなどはホルムアルデヒドの放散量が少ないものを選ぶことなどを定めた。しかし、「ホルムアルデヒドは氷山の一角。指定物質以外、基準値以下でも発症する子どもたちもいる。どこまでやればいいのか、難しい」(同県教委担当者)と、手探りの状態だ。

(07:39)

http://www.asahi.com/national/update/0102/003.html

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