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2002年12月31日(火) 03時01分

行政への暴力排除 福岡県警が新方式提案 通報を制度化 全国初西日本新聞

 公共工事や許認可をめぐり、暴力団などが役所に不当な要求をする「行政対象暴力」が深刻化していることから、福岡県警は、県内自治体と連携して排除するシステムづくりに乗り出した。すでに独自の「危機管理要綱」案を福岡、北九州を除く九十五市町村に提案。役所内に対策委員会を設置し、職員から被害を集約して警察に通報、事件化までつなげる。警察庁によると、自治体を網羅した取り組みは全国で初めて。不況を背景に各地で悪質な事件が相次いでいるだけに、新たな「福岡方式」として注目を集めそうだ。

 行政対象暴力は数年前から目立ち始めた。福岡県内でも今年十一月、碓井町幹部を脅し、意に沿わない土木業者の指名停止処分を強要したとして元町議らが逮捕される事件が発生。警察庁は同月、全国の警察本部に対策強化を通達し、アンケートによる初の実態調査を進めている。

 県警暴力団対策課がまとめた要綱案では、不当要求行為について(1)工事計画の変更・中止、下請け参入や法外な補償の要求(2)職員に面会を強要したり乱暴な言動で安全を脅かす—などと規定。助役を会長とする対策委を設け、職員が被害を受けた場合、所定の用紙に記入し上司に提出、対策委に集約し、必要に応じて警察に通報しなければならない、としている。

 公共工事の現場で土木業者に圧力をかけ、結果的に役所の仕事に介入する間接的な不当要求も想定している。

 この案を「たたき台」として、県警は同種の取り組みを先行させていた福岡、北九州両市を除く全市町村に提案。十一月、県警刑事部長名の要請文を首長に送付した。これを受け田川郡の九町村が統一要綱策定に合意したほか、飯塚、山田両市と嘉穂郡八町が来年一月、三役ら参加の研修会を企画するなど、自治体側の取り組みも本格化している。

 県警は引き続き要綱策定に向けて支援する方針。徳永俊則・県警暴対課課長は「不当な要求を許すことは行政の公平性をねじ曲げることになる。自治体をバックアップし被害の掘り起こしにつなげたい」としている。

■行政対象暴力

 暴力団が右翼や人権団体などをかたって国や自治体の職員に金品を要求したり、行政が抱える許認可事務や監督権限を資金獲得に悪用する行為。公共工事の下請けに暴力団関係企業が参入できるように発注元の行政側に働きかけるケースが多い。このほか補助金などの支給強要、機関誌の購入など手口は多岐にわたる。一部には、要求に応じて税金を支出したり業者に口利きするなど、行政側の不適切な対応も指摘されている。

■強力なモデルケース 警察庁暴力団対策一課の話

 首長に要綱策定を働きかけ、市町村を網羅した排除システムをめざす福岡県警方式は全国でも例がない。強力で先進的なモデルケースとして高く評価できる。(西日本新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021231-00000019-nnp-kyu

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