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2002年12月27日(金) 18時50分

[揺れる少女たち]デリヘル事件の衝撃/中 教育現場に戸惑い /秋田毎日新聞

 ◇174業者登録も…実態つかめず
 「携帯電話の出会い系サイトの危険性は、生徒や保護者にチラシなどを配布し注意するなどしていたが、秋田でもデリヘルとは……」。県内のある女子高の校長は話した。11月下旬の事件発覚直後、小野寺清教育長は「デリヘルって何だ?」と報道陣に問い返した。
 事件当初、県教委高校教育課が県警から受け取った情報は、かかわった生徒の年齢や回数、動機などを示した2枚のペーパー分のみ。「捜査中に情報を出すことは出来ない。また、かかわり合いの度合いが分からない時点での学校や個人名の連絡は、混乱を招く」(県警生活安全企画課)と判断したためだ。
 秋田署は女子高生たちの事情聴取をほぼ終えたが、「県教委からの要請がない」として個人情報の伝達を控えている。県教委高校教育課は「年明けに要請する」としているが、先の校長は「働いていた生徒がうちの学校にいるかどうかも分からない」と情報不足の不満を口にした。学校側はいまだ、事件の実像さえつかめないのが現状だ。
 県警生活安全企画課は昨年8月、別のデリヘル業者を初摘発、17歳の無職少女1人を補導していたが、捜査側にも「女子高生がこの業界で働くのは予想外だった」という認識があったという。
  ◆  ◆  ◆
 「事件は氷山の一角」。事件後、県教委は急きょ県内全69高校の臨時教頭会議、校長会議などを開催。デリヘル業界の登録は174業者に上っていることもあり、強い危機感を持った。生徒指導研究推進協議会(PTA・校長・生徒指導担当者で構成)も各地区で開催され、中学生を含む被害拡大防止策に乗り出した。
 具体的な対策指導は各校に委ねられる中、全校で「こころ・姿・振る舞い・さわやか高校生」運動を実施することが決まった。普段のあいさつの励行、校外での身だしなみの注意、電車内での床座り・携帯電話の使用禁止などを呼びかけるもの。
 「高校生の規範意識改善策」(高校教育課)としているが、「短いスカートをやめようなんて、いかにも上っ面。もっと突っ込んだ対応策を」と、県議会教育公安委員会の委員からは早くも批判が出ている。
  ◆  ◆  ◆
 「性教育は医学的な観点にとどまり、倫理、道徳面が足りなかった」「携帯電話の利用実態を保護者が把握しきれていない」。各種の対策会議では、学校側からこんな反省の言葉が飛び出した。ほとんどの高校では、緊急生徒集会を開き、冬休みを前に保護者にデリヘルの危険や生徒の日常の変化に注意を促すチラシを配布した。
 「女子生徒は『女』の世界。生徒の情報は我々の先を行っている」。私立高校の生徒指導担当の男性教諭の見方だ。「お金を欲しがりアルバイトにも積極的な生徒はいる。倫理観は日常的に教えてはいるが……」。実効性のある手だてを見いだせず、現場の教諭に戸惑いが広がっている。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021227-00000002-mai-l05

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