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2002年12月26日(木) 14時10分

<出会い系サイト規制>遊び「性行為」に警鐘毎日新聞

 高校生の8〜9割が携帯電話を持っているとされ、不特定多数の男女が性交渉やデートの勧誘を平然と行う「出会い系サイト」も、中高生にとっては、もはや身近な存在だ。しかし、買春や強姦(ごうかん)など、出会い系サイトを利用した事件は多発しており、警察庁は法規制に手軽さと裏腹の危険に無自覚な若者に警鐘を鳴らす意味も込めている。

 「明日××付近で、ゴム付きのHしませんか??3万円から!」「明日の昼ごろ、××で援助してあげるよ。条件は160以下で童顔で太っていない現役高校生!」

 出会い系サイトでは、大胆な女子中高生や大人の男性の書き込みがはんらんしている。

 大阪・ミナミ。私立女子高3年生は「出会い系サイトで知り合ったメル友(の男性)とホテルに行き、数千円から3万円をもらった」と悪びれた様子はなかった。「相手が嫌になったら、メールアドレス変えたら、別の子になれるんや」

 「友達が『変なとこに連れていかれそう』って電話してきて怖かった。だから私はやらない」。東京・渋谷の都立高1年の女子生徒は話す。「でも、法律で規制しても、年齢をごまかしたら同じじゃない。法律がなくてもやらない子はやらないし、本人の責任じゃないかな」

 高1の男子生徒(15)とサイトで知り合ったという40歳代の女性は、「遊びじゃん。性交渉したいなんてストレートな表現は使わないし、本気でない『ひやかし』も多いよ」と言う。法規制の動きについては「罪になるなら、通信費の負担も大きいからやめる」と話した。

 一方、保護者には、歓迎の声が多い。高3と中3の女の子を持つ東京都内の母親(44)は「本人たちに分からせる意味で、規制があると安心できる」。別の母親(40)は「携帯電話にはよくないメールも送りつけられるので、子供が陰で何をしているか心配。法律ができればブレーキになる」と話す。

 今年上半期に検挙された出会い系サイトを利用した買春事件のうち、加害者と被害者の接触状況が分かった211件では、9割以上の198件が18歳未満の女性側が勧誘していた。

 同庁が設置した「青少年問題調査研究会」(委員長=矢島正見・中央大教授)が中高生(3133人)を対象にしたアンケートでは、男子高校生は80.8%が携帯電話を持ち、うち11.2%が出会い系サイトを利用すると回答。女子高校生は90%が携帯電話を持ち、うち7.4%が利用していた。また、「見知らぬ人と性交渉をしてお金をもらうこと」に、高校生の約半数が「問題だが、本人の自由」と回答した。

 同庁は「『児童を買春する大人が悪い』という意見があることは承知しているが、現状は、児童側にも問題が多く、買春の客引きを処罰するのと同様、サイト上の勧誘行為は規制すべきだと考えた」と話している。 【大坪信剛、和泉かよ子、亀田早苗】

●勧誘すれば少女も「加害者」=解説

 警察庁が出会い系サイトに法の網をかけることにした背景には、同サイトを利用した犯罪の急増がある。昨年、テレホンクラブが風俗営業法の対象となり、18歳未満が利用できなくなったため、少女との性的な「出会い」の機会が携帯電話の出会い系サイトに一気に移行。今年上半期の出会い系サイトを利用した犯罪の検挙件数は793件と昨年同期の2・6倍に急増した。

 児童買春が400件、青少年保護育成条例違反事件が213件と、「未成年の性」に関連した事件が8割近くを占めている。殺人や強盗、強姦(ごうかん)などの凶悪事件に発展したケースも少なくない。

 児童買春・ポルノ禁止法が少女を「被害者」と位置付けているのに対し、新法では勧誘行為をすれば少女も「加害者」として処罰対象にする。少女売春は、ブランド物を買ったり遊ぶ金欲しさが主たる動機といわれており、被害者扱いは現状にそぐわないという解釈だ。

 警察庁は「罰金刑以下なので、違反した未成年の法的手続きは家庭裁判所がとる。新法によって、子供自身に規範意識を持ってもらいたい」(生活安全局)と期待するが、法規制という強制的な手段で、少女たちの内面の荒廃まで改善できるか、疑問も残る。 【和泉かよ子】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021226-00001067-mai-soci

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