悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録

2002年12月16日(月) 03時01分

<柔道整復師>申請簡素化、審査困難に 厚労省「不備」を放置 毎日新聞

 柔道整復師による保険外請求問題で、旧厚生省が74年に支給申請書の記載の簡素化を認めたため、柔道整復師からの申請を十分に審査できない状態になっていることが分かった。これについて会計検査院が93年に「負傷した原因が具体的に記載されていないために、支給の適否を確認できない」と指摘したが、厚生労働省はいまだ改善していない。業界に甘い制度を作って放置してきた実態が明らかになった。

 柔道整復師は骨折、脱臼、ねん挫、打撲などの外傷に手当てした場合、健保組合などの保険者に医師の診療報酬にあたる療養費を請求できる。支給申請書には負傷した原因を書く欄があり、保険者や各都道府県に設置した審査委員会が審査して支給の適否を決める。旧厚生省は74年、負傷原因の記載について関係方面から要望があったとして簡素化を認めていた。

 負傷原因欄はそれまで「自転車で転んだ」「階段を踏み外した」などと原因を具体的に書くために設けられていた。しかし、旧厚生省は簡素化に伴い保険者あてに文書で▽業務災害、通勤災害または第三者行為以外の原因による▽業務災害の疑いがある原因による——などの例文を示して「該当するものを記載することで足りる」とした。

 会計検査院は93年度の検査で、90〜92年度の請求について94カ所の整骨院と接骨院を調査。その結果、負傷原因が具体的に書かれていなかったり、全く書かれていないために、支給の適否を確認できない施設が90カ所もあったと指摘し、旧厚生省に改善を求めた。

 旧厚生省の医療保険審議会の柔道整復等療養費部会も、95年に「適正な審査を行うために、具体的な記載が必要」と指摘している。

 厚労省医療課は「どこから要望を受けて簡素化したのかはっきりしない。指摘を受けて全く手をつけていないわけではない。関係団体との調整があって延びている」と釈明している。 【鯨岡秀紀】


[毎日新聞12月16日] ( 2002-12-16-03:01 )

http://news.lycos.co.jp/society/story.html?q=16mainichiF1216m094&cat=2

この記事に対するコメント/追加情報を見る

ニュース記事一覧に戻る

トップページ