道路交通法上は原付きバイクと同様に扱われる「電動キックボード」「電動スクーター」による事故が９月末現在で２１件と、昨年の２件から大幅に増加していることが、警察庁の初の調査で分かった。特に７月からの３カ月間で１９件発生している。無免許だったり、小学生が運転するなど違法状態が横行していることから、同庁は販売業者や運転者への指導を強化する。

　電動キックボードは子供たちに流行したキックボードとほぼ同じ形で電気モーターで動く。電動スクーターは、座席がとりつけられ、タイヤや車体が大きめ。いずれも、時速１０キロ前後から３０キロ前後で走るという。

　同庁によると、今年の事故の運転者２３人のうち１６人が無免許。うち５人は道交法上免許を持てない１６歳未満で、最年少は９歳女児だった。２３人全員がヘルメットを着用していなかった。事故発生場所は、２３件中５件が通行してはいけない歩道上。また車両自体がすべて、前照灯や速度計など道路運送車両法に基づく保安基準を満たしていなかった。

　今年８月、福島県内で歩道を走っていた２人乗りの電動キックボードが転倒し、女性が頭の骨を折る重傷。９月には、大阪府内で、男子中学生が電動キックボードを運転中に乗用車にひき逃げされ、頭などに軽傷を負う事故などが報告されている。　【大坪信剛】


［毎日新聞１２月１２日］ ( 2002-12-12-11:55 )

http://news.lycos.co.jp/society/story.html?q=12mainichiF1212e022&cat=2