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2002年12月11日(水) 00時00分

併合罪を厳格に判断 監禁事件の控訴審判決朝日新聞・

  「一人の人生を台無しにした罪の大きさを、身にしみて自覚することを望みます」。9年2カ月に及ぶ長期監禁事件で10日、控訴審判決を言い終えた東京高裁の山田利夫裁判長は、佐藤宣行被告(40)=柏崎市四谷1丁目=に告げた。一審判決の懲役14年を破棄し同11年としたのは、逮捕監禁致傷罪と窃盗罪を併合した量刑判断を厳格にした結果だった。だが、失われた時間が大きいだけに、女性を支えてきた家族や親族らには、やりきれなさが残った。

  午前10時過ぎ、佐藤被告が黒のスエット姿で、だらりと下げた両腕を揺らすようにして、ゆっくりと出廷した。10月の公判時に比べ、黒いあごひげや頭髪がのびた。

  「逮捕監禁致傷罪は最長でも10年で評価しなければならないが、法の予想を超え、著しく重大で深刻な犯行だった」

  「国民の法感情として10年で軽すぎるとすれば、将来に向けて法を改正するしかない」

  併合罪の軽い窃盗罪が1年程度の量刑を加えられても、最長刑を懲役15年にまで広げる解釈はできない。山田裁判長が量刑判断の「限界」に触れ、量刑を軽くした理由が告げられる間も、佐藤被告は表情を変えず、時折めがねなどをさわるほかは、落ち着いた様子だった。

  法廷には、女性の両親も姿を見せた。約30分間にわたり判決が読み上げられる間、父親はじっと山田裁判長の方を見上げ、母親は終始うつむき加減で判決に聴き入った。

  「11年に短縮されましたが、情状などによるものでは全くありません」。判決後、山田裁判長は量刑判断の結果が変わったことをふまえ、佐藤被告にゆっくりと諭した。だが佐藤被告は全く様子を変えることなく無言で聞き、法廷を後にした。

    ◇

  被害者の女性の隣人の一人は「(懲役が)何年でも同じ。素直で朗らかな彼女に戻って欲しい」。女性宅近くの自営業男性(49)は「彼女と会っても事件の話はしない。彼女にしてみたら11年だろうと14年だろうと、被告には一生会いたくないだろう」と女性の気持ちを代弁した。

  一方、事件の捜査にあたった県警は「コメントする立場にはなく、差し控えさせていただきたい」としている。

  が、当時の幹部の一人は「被害者や国民の処罰感情に少しでも応えられる結果になるよう、すべて事件としてあげるのが警察の使命」と話した。
(12/11)

http://mytown.asahi.com/niigata/news02.asp?kiji=3531

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