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2002年12月06日(金) 21時01分

[「090」のワナ]潜行するヤミ金融/上 手軽さと危険、裏腹 /熊本毎日新聞

 ◇正体不明、対策も後手に
 「電話一本、即融資」。特定の事務所を持たず、携帯電話だけで活動する無登録のヤミ金融「090金融」が県内を席巻している。福岡が発祥とされ、県内にものめり込む債務者が急増。しかし、気安さの裏で暴力団の資金源との指摘もあり、超高金利のうえ取り立ては過酷を極める。足がつきにくいことから対策も後手に回りがちな現状に、打開策は見出せるのか。【石川淳一】
 「もう、何するか知らんぞ!」。熊本市の男性会社員(33)宅は連日、脅迫電話が鳴り響く。
 6月に転職。給与が3分の1に減った。生活費が底をついた。電柱ビラに書かれた電話番号を見て、電話したのが始まりだった。
 5万円の借用書を書いて、振り込まれるのは3万1000〜3万3000円。差額は利息として回収される。期日までに完済しても6割前後の利息。出資法が定める上限金利の年29・2%を上回り、明らかに出資法違反だ。
 10日前後のサイクルで返済期限がくる。見越したように、他業者から携帯電話に「ご入用ではありませんか」と誘いがかかる。結局、利息返済のため他社から借り、元本が雪だるま式に膨らんだ。借入先はこの1カ月で倍増、今の債務は20社から約120万円。
 「怖いのは分かっていたけど……」。先日、妻から離婚届を渡された。6歳と2歳の子供がいる。
   ◆  ◇
 手軽さを売りに近づき、過酷な取り立てを重ねる090金融。3万〜5万円と小口の現金を貸し付け、執ような脅迫で年に数百%の金利を要求する。取り立ては家族や勤務先に及び、近所中に嫌がらせ電話が掛かる。電話と口座のみでつながった関係だから、相手の顔は分からない。
 金融業者で構成する県貸金業協会は11月、無料電話相談を行った。相談は1カ月で200件を超えたが、うち9割強が090金融だった。大手消費者金融から中小貸金業、そして無登録のヤミ金融へと走る債務者の傾向が見て取れるという。
 違法な取り立てに対し、被害者支援を行う「熊本クレ・サラ・日掛被害をなくす会」は、法定利息を超えた返済分の返還を求める姿勢だ。ところが090金融は事業所の所在が不明で、業者にたどり着かない。吉田洋一相談員は「正体不明の人間と戦わないといけない」と頭を悩ませる。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021206-00000003-mai-l43

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