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2002年12月06日(金) 02時23分

ヤミ金融被害深刻 県内本年度の相談491件 県警など防止へ連携強化西日本新聞

 【鹿児島】 携帯電話(090)やダイレクトメール(DM)を勧誘の道具に、貸金業登録をせず、法外な金利で貸し付けをする「ヤミ金融」業者による被害が、県内でも深刻化している。標的は多重債務者とその家族、知人ら。業者の手口は巧妙化しており、県警や関係機関は被害防止へ連携強化を急いでいる。 (鹿児島総局・東憲昭)

■上納金かさみ犯行

 十一月二十八日、鹿児島地裁で初公判があった県内初の「090金融」事件。福岡市出身の暴力団組員ら四被告は今年三月、鹿児島市を下見した。ヤミ金融の業者が多く「自己破産で逃げを打つタチの悪い客も増えた」福岡市から活動拠点を移すためだ。四人の目に、鹿児島市は魅力的に映った。「一極集中で幹線道路は渋滞する。信号待ちの場所に看板を出せば(客を)取れる」

 四人が090金融を始めたのは、暴力団幹部や上部団体への多額の「上納金」でかさんだ借金返済のためだった。摘発を免れるため、家財道具を買い取る形で融資し、リース料名目で高額の利息を取る手口を使った。

 県警の調べでは、余罪も含め、三月から九月までに福岡、鹿児島両県の約二百十人に計約二千三百万円を貸し付け、約六百四十万円の利益を上げていたとされる。

■表ざた恐れる業者

 ヤミ金融の被害は都市部だけではない。十一月十九日、北薩地方の会社員男性(41)は東京のヤミ金融十六業者を相手に、元利返済と違法取り立てに対する慰謝料など計四百七十二万円の支払いを求める訴訟を鹿児島地裁加治木支部に起こした。

 計約五十万円の融資を受けた男性は、業者から「一週間で元金の倍額返せ。完済できないなら、利息として元金の半額を支払え」と要求された。支払いが滞ると親類宅や勤務先にも「殺すぞ」と脅迫電話がかかり、結局母親の年金から三百万円以上を支払った。

 返済日になると、別の業者から勧誘の電話が携帯電話に入った。返済総額を尋ねても、はぐらかす業者もあった。業者が債務者情報を共有し、周囲を巻き込んで搾取の限りを尽くす借金地獄だった。

 しかし、男性の提訴後、六業者から約百十四万円が返還された。男性の代理人の弁護士は「ヤミ金融業者は表ざたを一番恐れる。違法貸し付けに返還義務がないことを訴訟で示すことは根絶への効果的な抑止力となる」と話す。

■苦情電話全国4位

 県中小企業課によると、ヤミ金融関連の相談は昨秋ぐらいから増え、本年度は十月末現在で、昨年度の三百件の約一・六倍の四百九十一件。全国貸金業協会連合会がこのほど行った初の全国一斉「ヤミ金融苦情ダイヤル」の中間集計(十一日間)でも、県内からの電話は二百一件で、東京、北海道、福岡に次ぐ全国四位だった。こうした事態を受け、県警や県消費生活センターなど関係七機関は十一月二十七日、鹿児島市で初の連絡協議会を開催。情報交換を進め「ヤミ金融業者は絶対に利用しない」よう積極的な広報に努めることを確認した。

 県中小企業課は「手を出さないのが大原則だが借りた場合は早めに相談して。脅迫された場合は録音を取るなどして警察に届けてほしい」と呼びかけている。

▼メモ

 県内の主なヤミ金融相談所は次の通り。

 県サラリーマン金融苦情相談所=099(223)6832▽県大島消費生活相談所=0997(52)0999▽県貸金業協会=099(223)2858▽県弁護士会=099(226)3765。(西日本新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021206-00000010-nnp-l46

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