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2002年12月05日(木) 14時37分

全農福岡偽装 高級茶への努力台無し 相次ぐ裏切り 怒る消費者西日本新聞

 「生産者の努力を踏みにじる行為だ」—。全国農業協同組合連合会(全農)福岡県本部による同県星野村産八女茶の偽装が明らかになった五日、生産地の星野村では怒りの声が上がった。地元農協も同じJAグループの不正行為にショックを隠しきれない。全農グループでは今年三月、全農チキンフーズ(埼玉県)による鶏肉偽装が発覚したばかり。相次ぐ裏切り行為に消費者の不信感は頂点に達している。

 「日本一の高級茶を目指して取り組んでいるのに台無しだ」。同村役場の酒見奉治・経済課長は声を荒らげ、「他産地のお茶が混ざれば味が落ちる。こんなことがたびたび起きれば、村の基幹産業は大打撃。加工、流通業者はしっかり自覚してほしい」と訴えた。

 同村の茶生産・販売農家、末崎定幸さん(66)は「うわさは耳にしていたが、実際にあったと聞いてあきれかえっている。星野茶の生産量は少ないので広範囲で販売すること自体に無理がある」と言い、同村内の別の男性(72)は「こんなことで『星野茶はおいしくない』との声が増えれば、信用を失う」。

 福岡八女農業協同組合茶業部会長の桐明靖広さん(55)=福岡県八女市=は「一生懸命、八女茶をつくっても、加工、流通段階でブレンドされたらどうしようもない。生産者が直接販売するしかないのか」と表情を曇らせた。同農協は四日、全農県本部に口頭で厳重抗議したという。

 福岡市中央区のエフコープ平尾店では五日朝、問題の三商品が並んだ陳列棚に「現在は仕様書通りに製造されていることを確認しております」などと書かれたプレートを掲示。担当者によると、三商品はお茶の中でも売れ筋だったという。

 買い物に来ていた近くの主婦(42)は「お茶を選ぶときは産地や一番茶かどうかなどの表示を見るしかない。それがうそだったら、何をどう選べばいいのか。これだけ(表示偽装が)いろいろ続くと、すべての商品を疑ってしまう」と憤った。(西日本新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021205-00000071-nnp-kyu

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