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2002年11月29日(金) 06時11分

ネット取引で株価操作の疑い 東証、仲介証券に警告朝日新聞

 インターネットを通じた株取引サービスを悪用して顧客が株価を不正に操作した疑いがあるとして、ネット専業証券大手「イー・トレード証券」(東京都千代田区)が東京証券取引所から売買審査態勢の改善を求める警告を受けていたことがわかった。ネット取引による株価操作の疑いが明らかになったのは国内で初めてで、証券取引等監視委員会も証券取引法違反(相場操縦)の疑いがあるとみて調査している。

 関係者によると、株価操作とみられる取引があったのは昨年7月ごろ。同証券の顧客の男性個人投資家が、同証券のネット取引を使ってパソコンを通じて東証1部上場の自動車部品メーカーの株を集中的に売買した。

 高い買値を指定した注文を短時間のうちに繰り返すなどした。ほかの投資家がつられて買いに走ったため、株価が異常につり上がり、この顧客は高値で数千株を売り抜けて利益を得たとされる。

 証券取引法は、相場より高い値をつけた買い注文を繰り返したり、自分で売りと買いを同時に行ったりして、取引が活発に行われているように見せかけて一般の投資家の売買を誘い、株価を意図的に変動させる「相場操縦」を禁じている。

 この顧客は関係者に対して「思いどおりに値が上がったので面白くなった」などと話し、不正な取引をしたことを認めているという。

 ネット取引では通常、異常な注文があればコンピューターが自動的に指摘し、証券会社が注文を出した顧客に注意を促すなどしている。しかし、東証は、この顧客の異常な注文をそのまま仲介した売買管理に問題があると判断。昨年11月ごろ、同証券に警告したとみられる。

 同証券は、今年2月に明らかになった志村化工株をめぐる株価操作事件でも、仕手筋の経営コンサルタント社長、西義輝被告(46)=同法違反罪で公判中=らの電話による不正な取引を仲介したとして、東証から昨年5月に同様の警告を受け、金融庁から行政処分も受けた。

 一つの証券会社がコンプライアンス(法令順守)上の問題で短期間に2度も警告を受けるのは極めて異例で、東証関係者は「証券会社として最低限の売買管理態勢があれば防げる不正だった」と指摘している。

 ネット取引は、ネット専業証券とともに急成長し、日本証券業協会によると売買代金は株取引全体の1割を超える。一方で、注文から売買執行までの時間の短さや証券マンとの非対面性を逆手に取って不正取引に悪用されるのでは、と心配する声が市場関係者からあがっていた。

 イー・トレード証券は手数料の安さで個人投資家の人気を取り込み、ネット専業証券でトップクラスの売買注文を誇る。

 同証券は取材に対し、「何も答えられない」と話している。

(06:10)

http://www.asahi.com/national/update/1129/004.html

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