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2002年11月27日(水) 16時43分

家電納品詐取5人逮捕 被害数十億円? 大阪府警朝日新聞

 昨年11月に倒産した大阪市北区の雑貨販売会社「エコテック」の社員らが、代金を支払う意思がないのに取引を持ちかける「取り込み詐欺」の手口で、取引先から大量の商品をだまし取っていたとして、大阪府警は27日、大阪市西淀川区姫里1丁目、元同社幹部の南昌宏容疑者(64)ら5人を詐欺容疑で逮捕した。被害額は、府警への告訴分だけで16社分2億3千万円にのぼり、関連会社を含めると全国で数十億円に達するとみられる。


 府警捜査2課などの調べによると、同社や関連会社「大平商栄」の社員だった5人は昨年7月下旬から同11月初めにかけ、代金を支払う意思もないのに、大阪市内の2社に電話で商談を持ちかけ、家電製品など計約400点(総額約一千万円分)を納品させてだまし取った疑い。

 エコテックは、商品代金を数カ月後に決済するとした小切手や手形などを振り出していたが、昨年11月26日に突然、破産通知を発送。代金未払いのまま、事務所を閉めて連絡が取れなくなった。商品は転売され、ディスカウントショップなどへ流通したとみられる。

 民間信用調査機関などによると、エコテックは福岡、石川両県などにも営業所を持っている。同一の人物が役員を務めるなど関係会社とみられる70社の多くも、同じ時期に事務所を突然閉鎖するなどしたという。

 「エコテック」による取り込み詐欺事件で、大分県警も27日、福岡市中央区天神5丁目、元エコテック大分営業所営業部長高田匡和容疑者(52)を詐欺の疑いで逮捕した。

 調べでは、高田容疑者は01年3月、同営業所を大分市中島西に開設。同年6〜7月、北九州市小倉北区の雑貨販売店に、代金を支払う意思がないのにカード型顕微鏡4千点(90万円相当)を納入させた疑い。商品は、東京にある別の会社を通じてディスカウント店などに転売していたという。県警は共犯者がいるとみて捜査している。

 大分営業所にかかわる被害は県内外の五十数社、約2億円になるとみられている。県警は01年10月、同様の被害にあった作業服販売会社から届けを受け、捜査を進めていた。

 安全強調手口巧み 「エコテック」

 大阪府警が本格的な捜査に乗り出した「エコテック」グループは、巧妙な手口を駆使し、取引先を信用させていた。長引く不況の中、多くの中小企業がだまされ、経営難に追い打ちをかけられた。

「加工食品の取引をしたいのですが」

 大阪市都島区の食肉卸会社は、昨年9月、エコテックの社員からかかった1本の電話で同社との取引を始めた。社員は「西日本の関連会社20社の社員食堂に納入したい」と持ちかけた。

 代金支払い条件は「月末締め、翌月末払い」。10〜11月の2カ月で計8回、約450万円分の商品を指定倉庫に納入したが、初回の支払い期日となっていた11月末直前に破産の通知が送りつけられた。食肉卸会社の幹部は「いかにもありそうな話だったので、信用してしまった」と振り返る。

 エコテックは休眠会社も利用し、取引の安全性をアピールした。ある被害会社に示したエコテックの会社概要には、業歴50年以上の東京都豊島区の衣類販売会社を関連会社として記載していた。

 代金を約束手形で支払う場合に、この衣類販売会社を振り出し人にして取引先に手形が無事決済できると信じ込ませた。 しかし、この衣類販売会社は事実上休眠会社で、約1年前にエコテック関連の人物が一斉に役員に就任していた。この会社も食品や日用品、コンピューターなどを大量に仕入れ、エコテックと同時期に営業を停止した。

http://www.asahi.com/osaka/021127h.html

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