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2002年11月27日(水) 14時21分

<八葉物流事件>「マルチの神様」破滅 元会長逮捕毎日新聞

 「だれ一人被害がかからぬシステムができた」。警視庁生活経済課などが詐欺容疑で逮捕した「全国八葉物流」の創始者で八葉グループ元名誉会長、田所収容疑者(68)は01年9月、横浜市内のイベント会場で、1万人の会員を前に声を張り上げた。数々のマルチ商法企業を渡り歩いたと自負する男のピークでもあった。全国約5万人から約1549億円を集めた「八葉商法」だったが、それからわずか3カ月後には破たんを迎えた。

 田所容疑者は高知県出身。会員には「マルチの神様」と称され、会報には自伝としてマルチ遍歴を明かす「21世紀マルチ革命」という記事を連載していた。

 八葉グループは栄養補助食品を販売する「合法マルチ商法」をうたっていたが、同グループが扱ったハチの巣やカニの殻から作った商品は既に9年前から田所容疑者が山梨県内の業者に作らせていたものだった。

 77年から91年までの14年間に9回も引っ越したが、92年ごろから都内で腰を据え、93年ごろ、これらの商品を使ってマルチ販売の会社を始めた。首都圏の若者を中心に会員を集めたが、94年に入会説明書に不備があるとして訪問販売法(現・特定商取引法)違反で検挙された。96年に「八葉薬品」と社名変更して沖縄県に移転。99年9月に同じ商品を使って「八葉商法」を始めた。

 商品を新たな会員に売りつけなくても、会社が販売を代行してくれるうえ、1年など短期間で出資金の2倍の配当金がもらえるという会員にとっては好都合な条件が受けて、爆発的に会員が増えた。事業はすべて田所容疑者の発案だった。

 「元本保証を禁じた出資法に問われるなら仕方ない。詐欺に問われなければいい」。田所容疑者が元側近に口にしていた言葉だ。元側近は「計算高いやつだと思った」と言う。

 「靴はボロボロで、ぜいたくしている様子はなく、『人のため』などと語るから、本物の偉人かと思ったこともある」という男性幹部会員(42)。「今思うとだまされた。何もしなくても金がもらえるのは、この人のおかげだと、みんながあがめ奉っていただけ」と吐き捨てた。 【竹中拓実】

◇被害弁護団が声明

 八葉物流被害対策東京弁護団(宇都宮健児団長)は27日、声明を発表。事件の真相や集めたカネの使途解明を求めるとともに「破産管財人が、八葉物流より利得を得た者ら全てから、その利得の多寡を問わずはく奪して、被害者らに公平に配当するよう要望する」などとした。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021127-00001070-mai-soci

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