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2002年11月26日(火) 06時20分
「八葉物流」元名誉会長ら１４人に逮捕状 事業実態なし（朝日新聞）健康食品の販売を代行して得られた利益を配当するとうたい、投資を募った「全国八葉物流」（本社・沖縄県北谷町、１月に破産）による出資法違反事件で、同社グループの健康食品の製造数が、会員に約束した数の１割未満だったことが警視庁などの合同捜査本部の調べでわかった。捜査本部は事業実態はほとんどなく、出資金を別の会員への配当に回す自転車操業を続けていたとみて、２５日、田所収・元名誉会長（６８）ら元幹部１４人に対する詐欺容疑の逮捕状を取った。一両日中にも逮捕し、元幹部宅など関係個所を捜索する。同社の資料によると、同社と会員との契約では、会員に「会員自身の使用分」として健康食品の瓶詰６０本を配り、これとは別に１８０本を同社が販売代行する約束になっていた。 約束通りに販売代行するためには、２０００万本以上が必要だったが、グループ会社が実際に製造したのは、約１３０万本だったことが、捜査本部の調べで判明した。 捜査本部は、同社に健康食品販売を代行する意思が当初からなく、会員数が増え続けなければ、いずれ資金繰りがつかなくなって破綻（はたん）することを承知しながら、田所元名誉会長らが出資金を集めていたとみている。 同社は００年９月から破綻を表明した昨年１２月まで、約４万８０００人から約１６００億円を集めていた。ただ昨年１１月までに契約した会員は、配当を受けていたため、捜査本部はこの時期までの分は詐欺容疑を問えないと判断。昨年１２月に約１万人の会員から駆け込みで集めた約１９５億円のうち、新規に入会して全く配当を受けられなかった会員数十人から集めた出資金約２億円分の立件を目指す。 同社は法律で認められた連鎖販売取引（マルチ商法）の手法を取り入れ、新規会員を勧誘した場合に紹介料を出して、ピラミッド型の組織で会員数を急増させた。(06:20) |