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2002年11月20日(水) 22時01分

11月21日付・読売社説(2)読売新聞

 [詐欺商法]「“うまい話”に乗らないことが肝心」

 深刻なデフレ不況を逆手にとり、架空の儲(もう)け話などを持ちかけて、言葉巧みに金銭をだまし取る商法が後を絶たない。

 最近も、内職を世話すると偽って研修用教材を売りつける手口で、主婦ら一万二千人から九億円を集めた東京の教材会社社長らが、宮城県警に詐欺などの疑いで逮捕された。

 警視庁が摘発したジー・オーグループをめぐる詐欺事件では、通信販売事業への投資と称し、「120%確約」「月二回給料日」などと宣伝して、三万三千人から三百億円以上を集めていた。

 簡単に国家資格が取れると誘う「資格商法」や、二割負担すれば残りは低利で融資すると持ちかけ、有価証券の購入を名目に出資させる「二八商法」もある。だましの手口は様々だ。

 苦情を言おうにも、「所在不明」「連絡不能」というのが常套(じょうとう)手段である。

 生活が厳しさを増す中で、人々の心理的な不安に乗じる犯罪の横行は、見過ごしにできない。世知辛い世相を、いっそう殺伐なものとしている。

 信用した後で詐欺に遭ったと知って、精神的ショックを受ける被害者も少なくないという。しかも、法的手続きで資金を取り戻そうとしても、すでに使われてしまっていて、まず絶望的だ。

 警察などでは「簡単に高収入を得られる仕事はない」「うますぎる話には乗るな」と、常に注意を喚起してきた。それでも、被害は一向に減らない。

 全国の消費生活センターに寄せられた「詐欺・強迫まがい」の契約に関する相談は、昨年度は一万六千件で、この十年で十倍以上に増えた。実際に相談してくる人は被害に遭った人のごく一部、と言われており、近年、悪質商法が急速に広がっている実態がうかがわれる。

 手口が巧妙化しても、被害を防ぐ基本は変わらない。「甘言に惑わされない」という消費者側の自覚が大切だ。

 行政が厳しく取り締まっていくべきことは、言うまでもない。被害を未然に防ぐこと、被害が発生しても、最小限で食い止めることだ。

 ルール違反の契約は消費者が一方的に取り消せる、と規定した消費者契約法が施行され、特定商取引法も改正が繰り返されてきた。法整備は進んでいる。

 効果的に運用してこそ武器となるが、悪質業者名の公表制度など、もっと積極的に活用すべきだ。

 未成年者や高齢者の被害も深刻だ。欧米には、交渉力の弱い人を狙った犯罪には、刑を重くするなど、特別に保護する制度がある。そのような仕組みも、検討されていい。

(11月20日22:01)

http://www.yomiuri.co.jp/08/20021120ig91.htm

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