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2002年11月14日(木) 03時01分

家財リース金融:京都簡裁 契約違法と認定毎日新聞


 家財道具を買い取る形で事実上の融資を行い、引き換えにリース料を請求する「家財リース金融」をめぐり、京都簡裁(吉川久雄裁判官)が今月、業者と客の契約について「リース料名目で出資法に違反する高利息を請求した貸金行為にあたる。公序良俗に反し無効」と認定していたことが13日、分かった。簡単に小口融資が受けられるため、主婦らの利用が都市部で近年増えているが、契約自体を明確に違法と判断した民事判決は初めて。実質的には高金利でトラブルも相次いでおり、全国クレジット・サラ金問題対策協議会事務局長の木村達也弁護士は「被害者救済を前進させるだろう」と評価している。 【田村晃一】

 訴状などによると、京都府内のこの業者は昨年10月、京都市内の主婦との間でテレビ、冷蔵庫、洗濯機など6点を、部屋から動かさないまま5万円(うち手数料5000円)で買い取り、1日1000円でリースする契約を結んだ。主婦がリース料を払わなかったため、業者が家財所有者の夫に買い戻し料など計6万5000円を要求したが、応じないとして昨年12月に夫を相手に提訴していた。

 今月5日の判決で吉川裁判官は、(1)業者はチラシで、主婦らを対象にした融資の勧誘をしている(2)売買代金などの設定について、家財の品質や使用の程度、時価などを吟味していない——を理由に「(契約の)実質は家財を担保にした金銭消費貸借取引」と認定した。

 さらにリース料を利息とみて換算すると年率851%に上り、出資法が定めた法定利息(年率上限29・2%)を超えると判断。利息のほか、元本にあたる家財代金の返済義務も否定し、業者の請求を棄却した。

 主婦側の加藤進一郎・主任弁護士は「ヤミ金融の実態をとらえた正当な判断で、画期的な判決」と話している。

 また、夫が業者から「金を返してくれないなら家財道具を引き取る」などと自宅玄関先で脅され精神的苦痛を受けたとして、慰謝料など計40万円を業者に求め逆提訴した損害賠償請求についても、同簡裁は業者に10万円の支払いを命じた。

 「家財リース金融」に絡む訴訟では、大阪地裁で昨年8月、家財道具の売買契約が2回行われ、2回目の売買代金やリース料が1回目より高額だった事情を理由に貸金行為と認定した判決があったが、この問題に詳しい木村弁護士は「今回の判決は明快にヤミ金融の認定がなされている」としている。 【田村晃一】

■家財リース金融 家財を担保としてではなく買い上げた形を装い、業者が数万〜十数万円を「融資」。同時に短期のリース契約を結び「利息」としてリース料を受け取る。「元本」にあたる売買代金を返せば家財の所有権が戻る。貸金業登録を受けていない業者がほとんどで、大阪府警が今年7月、出資法違反容疑などで摘発した例もある。

[毎日新聞11月14日] ( 2002-11-14-03:01 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20021114k0000m040205000c.html

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