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2002年11月11日(月) 13時58分

外国人入浴拒否で業者に300万円賠償命令 札幌地裁朝日新聞

 北海道小樽市内の大型温泉施設の利用を拒否された外国出身の男性3人が「人種差別撤廃条約や法の下の平等を定めた憲法に反する」として、施設の運営会社と市に損害賠償を求めた訴訟で、札幌地裁は11日、施設側に計300万円を命じる判決を言い渡した。坂井満裁判長は「施設側の行為は人種差別にあたり、原告は人格権を侵害された」と述べた。市の責任については「私人間の人種差別を終わらせることに法的義務はない」と否定した。

 95年に日本も批准した同条約は、差別を禁止、終わらせるために適当な措置を遅滞なくとることを締結国に義務づけている。裁判では、民間施設での「差別」を解消する義務が地方自治体にもあるかどうかも争点の一つになっていた。

 米国出身で日本国籍を取得した北海道南幌町の大学講師有道出人(あるどう・でびと)さん(37)と、札幌市に住む米国籍とドイツ国籍の2人が計600万円の支払いを求めていた。

 訴えによると、小樽天然温泉「湯の花」手宮殿は98年8月から「外国人の入場はご遠慮下さい」との張り紙を掲示。3人は99年から翌年にかけてそれぞれ施設を訪れた際、「日本人の客が敬遠する」などと利用を拒否された。市にも対応を求めたが、十分な措置は取られず、「人間としての尊厳を傷つけられ、人格的名誉を侵害された」と主張していた。

 市側は「条約で差別撤廃の義務を負うのは国だ」と主張。施設側も「外国人の迷惑行為に苦情が相次ぎ、経営難になる危険性が極めて高いと判断し、営業防衛というやむを得ない措置だった」と反論していた。

 判決は「人種差別撤廃条約は直接適用されない」としたうえで、「入浴拒否は不合理な差別で、社会的に許容される限度を超えている」と指摘。市については「差別行為を中止させるための施策を実行してきた」と責任を認めなかった。

 施設側は01年1月になって、市の指導などに基づいて「マナーを守る」「日本語が理解できる」などの条件付きで外国人の入浴を認めるようになった。(13:58)

http://www.asahi.com/national/update/1111/010.html

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