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2002年10月18日(金) 15時01分

<C型肝炎>フィブリン糊を美容外科手術でも使用 学会が調査 毎日新聞

 旧ミドリ十字(現・三菱ウェルファーマ)の血液製剤フィブリノゲンによるC型肝炎感染問題で、同製剤を原料とした手術用接着剤「フィブリン糊(のり)」が80年代、美容外科のしわ取り手術などの止血剤に使われていたことが、当時の美容外科医の論文から分かった。厚生労働省医薬局は「美容外科手術での使用例は聞いたことはない」と話している。現在、感染者は確認されていないが、学会誌に論文を載せた日本美容外科学会(梅澤文彦理事長)は当時の使用状況を調査している。

 論文は東京都内の大手美容外科院長だった男性医師(故人)が84年12月の同学会誌に発表した。フィブリン糊によって、手術で損傷した組織がすき間なく接着して血腫が形成されないため、顔のしわ取りや豊胸手術の際の止血に有効——などの内容。肝炎感染の可能性について「心配される」と言及したが、元院長が扱った20症例では患者、医師、手術介助者のいずれにも感染はなかった、としている。

 関係者によると、80年代前半は、美容手術を受ける女性が増え始めた時期。フィブリン糊を使うと、止血に必要な技術が不要なうえ、手術時間が短縮できるとして、旧ミドリ十字がフィブリノゲン製剤を自主回収する87年ごろまで、一部の美容外科で頻繁に使われたという。

 一般の手術向けについては、旧ミドリ十字が80年代、手術用接着剤として使用できると勧める小冊子を、一部の医療機関に配布していたことが厚労省の調べで判明している。国が承認していない使用法で、60例以上の発症例が分かっているが、美容外科での使用は確認されていない。

 三菱ウェルファーマ広報部は「旧ミドリ十字が小冊子を配布したのは事実で、医師から要望が多かったためと、学術情報を提供するためだった。美容外科への配布や販売は確認できていない」と話している。

 C型肝炎感染問題に取り組む「薬害肝炎被害救済弁護団」は「美容外科の患者のうち、自分の手術にフィブリン糊が使われたと認識している人はほとんどいないのではないか」と指摘している。 【三木陽介】


[毎日新聞10月18日] ( 2002-10-18-15:01 )

http://news.lycos.co.jp/society/story.html?q=18mainichiF1018e088&cat=2

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