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2002年10月09日(水) 17時50分

グーグル検索、アルゴリズム調整で質が落ちた?WIRED

 世界で最も人気の高い検索エンジンにもついに、ユーザーからの反発という必然の運命が訪れたらしい。

 ウェブ常用者たちは近年、米グーグル社の検索エンジンを、究極のカード・カタログとして、そして http://www.oreillynet.com/pub/a/network/2002/03/08/cory_google.html インターネット上のすべてを容易に見渡せるツールとして、賞賛してきた。

 しかし1998年に同社がサービスを開始して以来初めて、ウェブログや検索エンジン関連のディスカッション・サイトに投稿しているユーザーが、検索結果の質がこのところ低下していると主張しはじめた。同社独自のウェブページ重要度判定アルゴリズム『ページランク』に施された最新の調整の結果、判定性能がむしろ低下したという。

 ウェブ開発者のマーク・ピルグリム氏によると、「グーグル社の検索結果は全般に、多くの分野で著しく質が落ちたように見える」という。同氏が自分のウェブログ・サイトに書き込んだ http://diveintomark.org/archives/2002/10/03.html#when_an_engineer_flaps_his_wings このコメントは4日(米国時間)、 http://www.daypop.com/top/ 人気ウェブリンク・トップ40リストの2位にランクされた。

 「スパム・サイト、ドアウェイページ[コンテンツに関係のないキーワードを置いてアクセス数を稼ぐテクニック]や、明らかにクローキング[訪問者とデータ収集用ロボットに異なったページを見せるテクニック]を意図したページに関して、複数の掲示板に苦情がたくさん寄せられている。グーグル社は以前、こういったサイトの排除が非常に上手かったが、今では同社の検索結果で上位ランクされたサイトでも、こうした問題のあるサイトが頻出して不安になるほどた」とピルグリム氏は述べている。

 『 http://www.webmasterworld.com/forum3/5646.htm ウェブマスター・ワールド』サイトには、「ページランクは死んだ」とまで書き込んだ投稿者もいる。

 しかし、検索エンジン関連の掲示板の投稿者には、グーグル検索結果で上位を獲得するためにページランクの裏をかこうとするウェブマスターやコンサルタントが多いため、投稿内容を鵜呑みにはできないかもしれない。

 検索エンジン最適化(SEO)として知られるテクニックによって、サイトのトラフィック——ひいては収入につながる可能性——を何倍にも増やすことも可能だ。そういう目で見ると、不平をもらしているのは、グーグル社が最近施した微調整でせっかくの仕掛けを台無しにされたテクニシャンたちが多い。

 ウェブ・アクセシビリティーのコンサルタントを生業とするピルグリム氏は、グーグルに対する懸念は1ユーザーとしての印象で、トラフィック集めが目的ではないと電話インタビューで述べている。「私はグーグル検索を、文字どおり日に100回も行なっているが、最初に出てくるページにスパムを発見することなど以前はなかった。今では上位10サイトのなかにエラーメッセージ#404(ページが見つからない)も入っている。どうしたんだ? 完全に空白のページもある——こんなページがなぜ上位にランクされているんだろう」

 「私は、ウェブアドレス探しにも(グーグル検索を)使っている。ブックマークの代わりに利用しているのだ。論争解決のためにも使っている。もしグーグル社がページランクをダメにしているとしたら、私はどうしたらいいか、これほどの生産性を維持していけるか、わからない」とピルグリム氏。

 ニュースレター『NTK』の編集者、ダニー・オブライエン氏も http://www.ntk.net/2002/10/04/ 同じような意見だ。「いろいろな事例を聞いて証拠を集めてみると、一般の利用者にとっても検索結果の質が少し落ちたようだ。機能しないサイト、明らかなスパム、無関係なサイトなどが最初のページにランクされている」

 グーグル社の広報担当者ネイト・タイラー氏は、このような苦情を一蹴している。ジャーナリストに顔が利いて大きな発言力を持つ、少数の人たちの言い分だというのだ。「私の机から2区画くらいしか離れていない顧客サービス担当部門スタッフに確認を取ってみた。しかし、ユーザー(からの苦情)が通常レベルより増えた兆候はない」とタイラー氏は電子メールで述べている。

 「われわれは最近、10月のインデックスを改訂した。ウェブ上に現れた議論は、たぶんこれと関係があると思う」とタイラー氏。

 グーグル社は以前から、ページランクの詳細についてコメントを避けてきた。しかし、ページランクの改訂作業は気まぐれに行なっているのではないとタイラー氏は言う。「われわれはいつも、全てのインデックスをウェブに掲載する前にテストし、グーグル検索の品質がリリースごとに高まっていることを確かめている」

 実際のところ、不満に思っているのは、ウェブログの運営者たちだけかもしれない。

 『 http://www.searchenginewatch.com/ サーチエンジン・ウォッチ』の編集者、ダニー・サリバン氏によると、グーグル社のランキングに関する直接的な苦情は、1件も受け取っていないという。

 「かなり大幅な改訂が行なわれたことは明らかだ」とサリバン氏はイギリスから電話で述べた。

 同氏によると、今回の最も目立った調整点は、「グーグル爆撃」(googlebombing)と呼ばれる悪ふざけの影響を大幅に抑え込んだことだという。グーグル爆撃というのは、何人ものサイト運営者が自分のページ上に「go to hell」(くたばれ)というような文句書いてそれをwww.microsoft.coにリンクさせておくと、グーグルで「go to hell」を検索したときに、米マイクロソフト社のホームページがトップに来る、といういたずらのテクニックだ。

 「ウェブログ利用者たちが今回の改訂作業を見て、『グーグル社が自分たちの力を弱めようとしている』と感じた可能性もある。ウェブログ・コミュニティーは、自分たちのウェブログで、何かを簡単にグーグル検索で上位にランクさせることができると自信満々だった。しかし、ウェブログがそう特別だなどと私は一度も思ったことがない。リンクを含むページなら、どんな種類のものでもそのようなことができる」とサリバン氏は語った。

 ピルグリム氏のウェブログは、「マーク」(mark)という自身のファーストネームで検索した場合に以前は1位にランクされていたが、今回のインデックス改訂のあとは6位に落ちた。ただ、同氏は、これまでウェブログが過大評価されていたのかもしれないと認め、次のように述べている。「私の名前は、マーク・トウェインより上位にランクされていた——これはフェアとは言えないだろう」

[日本語版:中沢 滋/湯田賢司]日本語版関連記事

http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20020924105.html グーグルが新たなニュース検索サイトを開始

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