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2002年10月08日(火) 03時01分

死亡患者カルテ:廃棄して書き換え 「副院長が指示」 広島毎日新聞


 広島県呉市の国立病院で98年にくも膜下出血で死亡した女性(当時49歳)について、担当医(32)がカルテを丸ごと書き換え、元のカルテを破棄していたことが分かった。担当医は裁判で「記入したポールペンの色がおかしいから書き直すよう副院長に指示された」と認め、遺族に謝罪した。病院に有利なように改ざんした疑いがあるが、「内容は変えていない」と否定している。

 女性は98年8月17日、勤務先で激しい頭痛やおう吐を訴え、国立呉病院(現国立病院呉医療センター)に搬送され、9月3日にくも膜下出血で死亡した。呉市の公務員の夫(54)らが99年4月、「すぐに脳外科に移さず、適切な処置をしなかった」として、担当医と国に4900万円余の損害賠償を求める裁判を広島地裁呉支部に起こした。

 訴訟は脳内出血を疑う症状があったかどうかが争点で、病院側は救急の担当医が入院時に「後頭部重圧感」と記載したカルテを基に「当初、異常はなく、適切な処置をした」と主張した。

 別の記録には、より重い「頭痛」と看護師が書いていたが、この看護師は陳述書で「思い込みによる誤記だった」と説明した。しかし、原告側弁護士が「カルテの文字が整いすぎている。事故前後の他の患者の分も見せてほしい」と求めたところ、病院側が今年4月に出した陳述書で、初めて書き換えを認めた。

 それによると、担当医は青色のボールペンで書き始めた直後、通りかかった副院長に「カルテは黒で書くものだ。書き直すように」と言われ、元のカルテは研修医室のゴミ箱に捨てたという。

 副院長に指示された日と翌日に担当医が診た別の患者7人のカルテは、いずれも青色で記載されていた。翌日も青色で書いたことについて、担当医は「疲労で注意力が衰えていた」と釈明した。

 事実を伏せていた理由は「98年秋、裁判になる可能性を知り、副院長に相談した。『書き換えたことはしゃべらないように』というようなことを言われた」と述べた。当時の副院長は「指示をしたり、相談された覚えはない」と関与を否定し、食い違いを見せている。

 病院の渋谷建吾事務部長は「改ざんはないと信じるが、元のカルテが残っていれば疑われることはなく、軽率だった」と話している。 【医療問題取材班】

[毎日新聞10月8日] ( 2002-10-08-03:01 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20021008k0000m040187000c.html

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