政府は８日、店舗や学校内の空気環境の基準などを定める「建築物における衛生的環境の確保に関する法律（ビル管法）施行令」を改正し、シックハウス症候群を引き起こす化学物質ホルムアルデヒドを新たに基準に加えた。室内のホルムアルデヒドの量に法的な基準が設けられたのは初めて。来年４月から施行される。

　改正された施行令は、一定の面積を超える事務所、デパート、学校などの室内のホルムアルデヒドが空気１立方メートル当たり０・１ミリグラム以下になるよう、空調設備で浄化するよう定めた。９７年に旧厚生省が示した室内濃度の指針に準じた。

　一方、一般住宅についても、７月の通常国会で改正建築基準法が成立。シックハウス対策が強化され、国土交通省は現在、ホルムアルデヒドを発散する建材などの使用基準を策定中だ。

　ホルムアルデヒドは殺菌作用がある無色の気体で、建材の接着剤などに含まれている。室内で気化し、目やのどの痛みや呼吸困難などを引き起こすほか、発がん性も指摘されており、シックハウス症候群を引き起こす化学物質として問題視されている。　【須山勉】


［毎日新聞１０月８日］ ( 2002-10-08-19:00 )

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