東京都新宿区歌舞伎町２の雑居ビル「Ｌｅｅ３」と近くの「ＡＤビル」で刺激臭がし、飲食店の客ら計１２１人がのどの痛みなどを訴えた傷害・威力業務妨害事件で、先週末に近くの別の２店舗で発煙筒が投げ込まれていたことが警視庁新宿署の調べで分かった。両ビルで刺激臭がした２店舗も含め、いずれも中国人が実質経営する店舗が狙われており、同署は関連を調べている。

　調べでは、同日午後１０時ごろ、Ｌｅｅ３の６階のクラブ「フェニックス」で、男がついたて越しに催涙スプレーとみられるスプレー缶２缶を投げ込み逃走した。ほぼ同時刻ごろ、道路向かい側のＡＤビル３階の飲食店「ＪＪ」でも、何者かが店内にスプレー缶を投げ込んだ直後に刺激臭が発生した。手口が同じことから、同署は同一グループの犯行とみている。両店舗は実質的に同じ中国人が経営しているとみられ、何らかのトラブルがなかったかどうかも調べている。

　また、同署が把握しているだけで４日未明と同日夜、いずれも両ビルとは異なる別の二つのビルで、計２店舗に発煙筒が投げ込まれる騒ぎがあった。先月２７日には近くの喫茶店でアジア系外国人とみられる２人組の男が発砲し、撃たれた暴力団組員２人のうち１人が死亡する事件もあり、この後に中国人経営の店が被害に遭う事件が相次いでいる。このため、同署では、発砲事件をめぐる暴力団と中国人グループのトラブルが背景にあるとみて調べている。


［毎日新聞１０月８日］ ( 2002-10-08-15:03 )

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