兵庫県警捜査２課などは２日、顧客から現金約１０００万円をだまし取ったとして、三井住友銀行六甲支店兼六甲北支店（神戸市灘区）の元支店長代理、江頭正雄容疑者（４４）＝兵庫県川西市、１日付で懲戒解雇＝を詐欺容疑で逮捕した。県警は、高齢者を中心に他にも約１５人の顧客から約６億円の余罪があるとみて追及する。

　調べでは江頭容疑者は今年６月、同店に資産運用の相談に訪れた７０歳代の女性顧客に「他の定期より利率が良くて有利」などと既に廃止された種類の定期預金を勧め、女性の現金約１０００万円を自分の銀行口座に入れてだまし取った疑い。

　県警によると、江頭容疑者は偽造した預金証書や、定期的に金利分とする現金を渡して顧客を安心させていた。しかし今年８月、被害者の一人が解約を申し込んだことから発覚。同行が先月中旬、県警に告発していた。江頭容疑者は「金は競馬に使った。１日で１億円勝つ時もあったが、深みにはまってしまった」と供述しているという。

　県警は先月、顧客から集金した現金３０００万円を着服したとして、三井住友銀行の子会社の元社員を業務上横領容疑で逮捕している。同行は「誠に申し訳なく深くおわびする」とのコメントを出した。　【井上大作】


［毎日新聞１０月２日］ ( 2002-10-02-20:05 )

http://news.lycos.co.jp/society/story.html?q=02mainichiF1003m077&cat=2