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2002年09月30日(月) 03時01分

<日比谷線脱線事故>営団の5人不起訴へ 複合要因と判断 毎日新聞

 00年3月、営団地下鉄日比谷線の中目黒駅付近で起きた脱線・衝突事故で、東京地検は29日、業務上過失致死傷などの容疑で書類送検されていた営団のレール保守管理担当者5人を、不起訴処分とする方針を固め、遺族らに説明を始めた模様だ。東京地検は、保守点検ミスがあったと認める一方で、事故は複合的な要因で起きたとみて、5人の刑事責任追及は困難と判断したとみられる。惨事から約2年半を経て、捜査は担当者の刑事責任を不問にして終結する見通しとなった。

 事故は朝の通勤時間帯に起きた。下り電車が脱線して上り電車に衝突し、乗客5人が死亡し、64人が重軽傷を負った。警視庁目黒署捜査本部は01年3月、保線などにかかわる営団の▽工務事務所長▽事務所軌道第1課長▽日比谷線工務区長▽工務区中目黒分室助役▽機械工務区長(いずれも当時)を書類送検した。

 捜査本部の調べでは、営団が99年11月の定期検査の結果、現場付近の8地点13カ所で内部規定を上回るゆがみを確認した後も、レールの保守管理を担当する工務区長と中目黒分室助役は、事故までの約4カ月間、改善を怠っていたとされる。

 また、工務事務所長ら3人は同年12月、現場付近でレールを削る作業をした際、下請け業者に研削の深さが0.2ミリであることを具体的に指示せず、作業後のチェックも怠り、1ミリも削ったことを見過ごしたとされる。 一方、運輸省(現・国土交通省)の鉄道事故調査検討会は00年10月、車両の左右にかかる荷重(輪重)のアンバランスを最大の原因としたうえで、レールの保守管理などが加わる複数の要因で事故が起きたとする報告書を出した。このため、容疑をレールの保守管理ミスに絞った捜査本部と「複合脱線」と結論づけた事故調との隔たりをどう評価するかが、最大の焦点だった。

 東京地検は、レールの保守管理に人為的ミスがあったと判断しながらも、事故調が指摘した他の事故原因も検討。保守管理ミスだけでは事故車両だけが脱線した原因を説明できないことから、5人の刑事責任を追及することは困難と結論付けた模様だ。

 さらに、事故調が事故の最大の原因とした荷重のアンバランスについては、事故当時に国や営団内部に管理基準がなかったことや、事故前の荷重値が不明なことから、車両部門の関係者の刑事責任も問えないと判断したとみられる。


[毎日新聞9月30日] ( 2002-09-30-03:01 )

http://news.lycos.co.jp/society/story.html?q=30mainichiF0930m132&cat=2

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