表現・報道の自由への制約が懸念されている個人情報保護法案の廃案を求める集会が２８日、東京・有楽町で開かれた。メディア関係者のほか、一般市民、学生ら約８００人が参加した。

　作家やフリージャーナリストらでつくる「９・２８個人情報保護法案拒否！東京頂上決戦」実行委員会の主催で、初めにノンフィクション作家の佐野真一さんが「個人情報保護法案に、住基ネット（住民基本台帳ネットワークシステム）と有事法案が加わると国民を総動員できる態勢が整う。過去の過ちを繰り返さないため、廃案への決意を新たにしたい」と開会を宣言した。

　全国１７カ所で開いた反対集会の報告が行われ、これを受けて、ジャーナリストの大谷昭宏さんが「今後はもっと危険な法案が出てくる可能性もある」と指摘。ノンフィクション作家の吉岡忍さんと吉田司さんは、「治安と不安」をテーマに対談し、米同時多発テロ以降、治安対策として国が個人情報を活用する恐れがあると懸念を示した。

　作家の城山三郎さんも「欲ぼけの政治家に政治を任せるわけにはいかない。国民の総力を挙げて阻止しよう」とメッセージを寄せ、参加者らは、秋の臨時国会で同法案を廃案に追い込むことを確認しあった。　【臺宏士】


［毎日新聞９月２８日］ ( 2002-09-28-20:25 )

http://news.lycos.co.jp/society/story.html?q=28mainichiF0929m071&cat=2