悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録

2002年09月26日(木) 12時40分

豊田商事の国賠訴訟で最高裁が上告棄却 被害者側敗訴朝日新聞

 金の現物まがい商法で全国の高齢者らから約2000億円を集めて破産した豊田商事事件の被害が防げなかったのは、国が悪徳商法を放置したからだとして、被害者366人が国を相手に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(横尾和子裁判長)は26日、被害者側の上告を棄却する判決を言い渡した。提訴から14年を経て、国側の責任を全面的に否定した一、二審判決が確定した。

 訴訟では、警察庁が同社の破産まで摘発権限を行使しなかったことや、通産省(当時)が行政指導をしなかったことなどの違法性が争われた。

 二審・大阪高裁判決は被害者らの自助努力だけで被害を避けることは困難だったと認めたが、警察庁が破産まで強制捜査に乗り出さなかったことが「著しく不合理だったとはいえない」と判断。第一小法廷も「二審判決は是認することができる」と述べた。

 豊田商事は、永野一男会長が81年4月に設立。金の売買を装い、客に預かり証券だけを渡すペーパー商法を展開。お年寄りや主婦を中心に約2万9千人から約2000億円を集めた。しかし、社員の高額な給料や豪華な店舗の開設資金で84年3月末には完全に経営破綻(はたん)していた。85年6月に永野会長が刺殺され、同7月に大阪地裁から破産宣告を受けた。

 この破産宣告の直後、大阪府警が強制捜査に踏み切った。国賠訴訟ではこれ以前の国の責任が問われていた。詐欺罪で起訴された同社の社長ら5人は懲役10〜13年の実刑判決が確定している。

 60歳以上のお年寄りを中心に1486人が88年に大阪地裁に提訴。93年10月に一審判決が原告側の訴えを退けたため、867人が控訴し、最高裁まで争ったのは366人だった。

 原告側の伊多波重義弁護士によると、366人の原告のうち亡くなっている人もかなりの人数に上るという。伊多波弁護士は「判決が遅すぎる」と話した。

<豊田商事の破産管財人を務めた中坊公平弁護士の話> 破産宣告の後やっと救済、真相究明がはかられたが、本来破産手続きによらなくても立法、行政、司法がきちんと対応すべき問題だった。同じような詐欺商法が生き残っていることを考え合わせると、構造的な問題にメスを入れなかった国の責任を全面的に否定したのは、残念な判決だ。(12:40)

http://www.asahi.com/national/update/0926/011.html

この記事に対するコメント/追加情報を見る

ニュース記事一覧に戻る

トップページ