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2002年09月11日(水) 21時57分

郵便トラブルめぐる国の賠償制限は違憲 最高裁判決朝日新聞

 郵便トラブルで生じた損害をめぐって、国の賠償責任の範囲をきわめて狭く制限している郵便法の規定が、国家賠償請求権を保障した憲法17条に違反するかどうかが争われた訴訟の上告審判決が11日、最高裁大法廷(山口繁裁判長)であった。15人の裁判官は全員一致で「規定には違憲・無効の部分がある」と判断。合憲を前提に国への賠償請求を退けた二審判決を破棄し、審理を大阪高裁に差し戻した。

 国家賠償請求権が認められていなかった明治時代の旧郵便法をほぼそのまま引き継いだ規定が、ようやく時代遅れと認められた形だ。法律の規定を違憲とした最高裁判決は6件目、15年ぶり。

 訴えたのは、兵庫県西宮市の金融会社。

 訴えによると、同社は借り手の男性の預金と給与の差し押さえを申し立て、裁判所は差押命令を「特別送達」という郵送方法で銀行と勤務先に送った。ところが郵便局員のミスで送達が遅れたため、男性に預金約790万円を引き出されて差し押さえられなかったとして、同社は国に同額の賠償を求めていた。

 争点となったのは、国の賠償範囲を狭めた郵便法の規定。それによると、(1)書留や小包をなくすか破損した場合(2)金を取らずに代金引換郵便を渡した場合−−に限り、請求できるのも差出人などに限定している。

 大法廷判決は、まず紛失・破損以外で損害が生じた場合の書留について判断。「故意や重大な過失で損害があった場合まで国の賠償責任を免除するのは、合理性がなく違憲だ」とした。

 さらに、書留の一種で重要な裁判書類を届ける際に使われる特別送達について検討。「送達の確実さと適正さが特に強く要請される郵便物で、この場合は単なる過失でも国は賠償責任を負う」との判断を示した。

 総務省は「厳粛に受け止めている。関係機関と協議の上、対応したい」とのコメントを出した。

(21:57)

http://www.asahi.com/national/update/0911/033.html

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