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2002年09月04日(水) 06時12分

賞味期限切れ春巻き2600個販売 中華総菜マダムリー朝日新聞

 大手百貨店に中華総菜店「禮夫人※(マダムリー)」を展開する神商(しんしょう)(神戸市中央区、吉野禮子社長※)が、今年3月から5カ月間にわたって賞味期限が切れた春巻きを販売していたことがわかった。同社によると、ベトナム風蒸し春巻きなど3品目で計2618個にのぼる。一部商品は吉野社長が在庫処分のために販売を指示していたという。

 同社は8月下旬、賞味期限切れ商品の販売を知った幹部社員らの提案で倫理委員会を設置し、社内調査を進めてきた。

 調査報告書によると、伝票類などを調べた結果、賞味期限後に販売された商品は「ベトナム風蒸し春巻き 叉焼(チャー・シュー)入り」566個▽「揚げても真白春巻き 牛蒡(ごぼう)と人参(にんじん)」1156個▽「同 海老(えび)と絹さや」896個。今年3月から8月にかけて、伊勢丹(東京・新宿、立川)やそごう(神戸、広島)、阪急(兵庫・川西)、大丸(神戸)、天満屋(岡山)の百貨店に出店するマダムリー計7店舗で販売していた。

 いずれの商品も香港や国内の食品メーカーから調理済みの冷凍食品を仕入れ、各店舗で蒸したり揚げたりして販売。メーカー側が賞味期限を設定していたが、その期限が切れた後も同社は店舗での加工当日や翌日を賞味期限としてラベルに表示し、店頭に並べていたという。

 ベトナム風蒸し春巻きはメーカーの決めた賞味期限が今年3月14日だったが、大量に売れ残ったため、吉野社長が味見した上で「問題ない」と判断し、8月20日まで販売を続けた。同社長の指示で「本社在庫処分にご協力下さい」「とてもおいしい飲茶(ヤムチャ)です。必ず売れる商品ですので、よろしくお願いします」などと記載した販売計画書を繰り返し店舗に送っていた。一部の社員から販売に反対する意見が出たが、販売は続いたという。

 また、真白春巻きは5月16日が賞味期限だったが、6月末まで販売を続けた。賞味期限切れ商品の回収、廃棄が徹底されず、誤って販売してしまった可能性が高いという。

 調査報告書には「賞味期限に対する認識の甘さ、売り上げ不振による在庫処分への焦りが根底にあったと思われる」「期限切れを了解しながらも、トップの指示により販売を継続し、加えて特売計画への組み込みが余儀なくされた」などと書かれている。

 吉野社長は朝日新聞の取材に対し、「2年前から会社の業績が悪かった。反省している」と話している。同社によると、これらの商品で健康被害などの苦情は寄せられていないという。

 神商は60年に設立され、資本金6000万円。全国の百貨店にマダムリー23店舗を展開し、02年2月末決算で年間26億円の売り上げがあった。

          ◇

※おことわり 「禮」のヘンは、正しくは「ネ」。「吉」も正しくは「土」の下に「口」。(06:12)

http://www.asahi.com/national/update/0904/002.html

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