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2002年09月01日(日) 11時04分

東電、国指示の検査でも不正読売新聞

 東京電力の原発点検記録改ざん問題で、東電が、原子力安全・保安院の各電力会社への一斉指示を受けて昨年から実施している炉心隔壁(シュラウド)のひび割れ調査の際、過去にひび割れを隠ぺいした溶接部を意図的に避けて検査対象を選んだうえ、保安院には「異常なし」と報告していた疑いが強まった。保安院は、部品交換や修理を嫌って異常個所を表向き巧妙に外したとみて同社から事情を聞く。

 東電から点検作業を請け負ったゼネラル・エレクトリック・インターナショナル社(GEII)は、1980年代後半から90年代にかけてシュラウドを調べ複数のひび割れを見つけたが、東電は当時、記録を改ざん。福島県の福島第一原発4号、福島第二2号、同3号、同4号、新潟県の柏崎刈羽1号の3原発5基のシュラウド溶接部計8か所合計35本のひび割れは、修理や交換なしで現在も使い続けている。

 ただ福島第二3号機で隠ぺいした複数のひび割れのうち、最長1・4メートルにもわたる最も深刻なひび割れについては昨年7月、自主点検で新たに見つけたと保安院に報告。これを受け保安院は同9月、同型炉で同じようなひび割れが起きる可能性があり、安全上の問題につながる恐れがあるとして関係電力会社に一斉点検を指示した。

 ところが東電は、この指示を受けて6基の炉で溶接部25か所を点検した際に、福島第二4号機では隠ぺい部分を再チェックしたのに「異常なし」と虚偽報告。これとは別に、福島第一4号機と福島第二2号機では、GEIIがひび割れを指摘した計3か所合計26本を「次回定期検査で燃料を取り出したうえで点検予定」として先送りするなど対象から外していた。代わりにひび割れのない溶接部を点検して、「異常なし」と保安院に報告していた。

 シュラウド検査は、炉内に器具を入れて遠隔作業で行うため手間がかかり、定期検査時に一部ずつ進める方式。隠ぺい部が偶然はずれた可能性もあるが、保安院は、ひび割れの程度から東電が独自に安全性を判断して保安院に報告するかどうかを決め、それに応じて工作したとみている。

 シュラウドは炉心を覆う円筒形のステンレス製構造物。大きさや厚さの異なる円筒を上下方向に溶接して連結、このリング状の溶接部が7、8か所ある。炉内の冷却水の流れを整えるとともに、棒状の燃料を支えて炉心の形状を維持する役割を担う。

(9月1日11:04)

http://www.yomiuri.co.jp/00/20020901i104.htm

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